これから年金はどうなるの?老後のために今からできること

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すでにはじまっている少子高齢化社会。若い世代は年金を支払うばかりで、給付年齢になっても大した金額が受け取れない、という話もあります。この先、年金はどうなっていくのでしょうか。安心して暮らせる老後のために、今からお金の知識をつけておきましょう。

少子高齢化社会が抱える大きな問題

これから日本がどのような時代になるか、考えたことはありますか?今世の中は急速に少子高齢化が進んでおり、私たちを取り巻く社会は大きく変わろうとしています。
平成26年版高齢社会白書(2014年)によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は年々増えており、2013年には過去最高の25.1%に達しています。一方、出生数は減少しており、2015年は推計95万人であるのに対し、2060年には48万人と半減する見込みです。これからの日本は、平均寿命が延びたことよる高齢者人口の増加と、少子化による若年人口の減少、という二つの要因で高齢化が進んでいきます。
ここで問題になるのは、年金や医療などの社会保障費の財源。なぜなら、社会保障費の財源は、日本経済を支えている現役世代が納める税金からまかなわれているからです。要するに、今働いている人たちが今の高齢者を支えている構造なので、将来若者が減って高齢者が増えると、現役世代の負担が大きくなるのです。数値で見ると、2015年は65歳以上の高齢者1人を2.3人の現役世代が支えていますが、2060年には高齢者1人を1.3人の現役世代が支えなければならないと予想されます。このままでは、税金の負担が増える一方で、社会保障費は削られていくでしょう。つまり、今までのように国の社会保障に頼れる時代ではなくなるのです。

今からできる備えで未来の安心を手に入れる

さて、次に年金などの問題を考えてみましょう。2015年4月時点の、老齢基礎年金は年額781,000円(満額の場合)となっており、ここ数年、少しずつ減っているのが実情です。
次に、高齢者世帯の家計の状況をみてみましょう。2014年度総務省の家計調査によると、働いていない高齢者の夫婦世帯では毎月61,560円が赤字となっていて、預貯金などを切り崩しながら生活しているという実態があります(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合)。
こういった老後の赤字家計から脱するためには、若いうちから「世の中の流れ」を知り「お金の知識」をつけ「お金を貯めるクセ」をつけることが大切です。まずは最初の一歩として新聞を読んでみましょう。毎日読み続けることで、世の中の流れがわかり、お金の知識も自然とついてくるものです。難しく考えず流し読みでもいいので毎日続けてみてください。また、お金を貯めるクセをつけるには、何と言っても家計簿をつけることが重要です。それが難しい場合は給与天引きで先取り貯蓄をしましょう。次のステップとしては、貯めたお金を増やす株式や投資信託などの「資産運用」に目を向けてもよいでしょう。若いうちから、来たる老後に備えてコツコツとお金のセンスを磨くことが大切です。

確定拠出年金で蓄えをつくる

今、国が普及を促している制度のひとつに「確定拠出年金」というものがあるのをご存知でしょうか。この制度を理解し、うまく運用することで、老後の生活が変わってくる可能性があります。

確定拠出年金ってどんなもの?
確定拠出年金とは私的な年金の1つで、2001年に施行した「確定拠出年金法」に基づく制度です。他の年金と異なり、自分自身で年金の運用先を決められるという特徴があります。「企業型」と「個人型」の2種類があり、掛金にはそれぞれ上限があります。会社員などが入る「企業型」は掛金を全額会社が負担してくれるのに対し、自営業者などが入る「個人型」は掛金を全額自分で出す仕組みになっています。2015年4月の税制改正によって、それまでは加入できなかった専業主婦や公務員等の共済加入者も利用できるようになりました。
メリットは?
60歳まで引き出すことができないため、強制的に老後のお金を貯めることができます。そして運用先を自分で決めるので、上手く運用できれば多くの老後資金を得ることができます。また、掛金全額が所得控除の対象になるため、節税にもなり運用益や利息も非課税となります。
注意する点は?
お金の運用先を自分自身で決めるため、すべて自己責任となり、元本割れの可能性もあります。さらに60歳までは原則引き出すことができないため、途中で住宅購入資金などに使い道を変えるということはできません。

「少子高齢化と言われてもピンとこない」という人が多いかも知れませんが、老後のためにお金や知識を備えておくのは早い方がよいです。日本が抱えている課題やお金に対する意識を高めて、自分ができることをコツコツと積み重ねていきましょう。

参考:
  • 内閣府|平成26年版高齢社会白書(全体版)
  • 総務省統計局|家計調査報告(家計収支編)-平成26年(2014年)平均速報結果の概況-
  • 厚生労働省|確定拠出年金制度の概要
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ライター紹介

小澤美奈子
ファイナンシャルプランナーおよび健康・美容ライターとして執筆・講座・相談等で活動中。
損害保険会社と住宅メーカーに従事し、主に家計管理、損害保険、住宅ローンを得意とする。趣味はカメラ・バレエ・料理。
ホームページ:http://kandbplanning.jimdo.com/