持ち家と賃貸、どっちがお得か比べてみよう

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「将来は一戸建てがほしい」「見晴らしのよい都心のマンションに住みたい」。家について、どんな夢をもっているでしょうか。毎月決まった家賃を払い続ける賃貸暮らしと、マイホームを買う持ち家。トータルコストではどちらがお得なのか見てみましょう。

持ち家にかかる費用はいくら?

持ち家にも賃貸にも、それぞれメリットとデメリットがあります。これはそれぞれの人生設計によって判断基準が異なるので、一概にどちらが良いとは言えない悩ましい問題です。
まず、持ち家のトータルコストについて考えてみましょう。実際にいくらかかるかは、所在地や希望条件、購入時期や金利などによって大きく変わるため、あくまで考え方とおおよその目安としてお伝えします。ここでは、仮に30歳の人が4,000万円の持ち家を購入し、70歳まで住み続けるものとして計算してみます。
まず、4,000万円の持ち家を購入すると、不動産取得税や不動産登記費用などの手数料・初期費用がかかります。物件価格の5%として計算すると200万円になります。また、この持ち家を全額住宅ローンで購入するとなると、仮に1.5%の固定金利で35年返済なら、総額で約5,144万円をローン返済することになります。
次に、持ち家の場合は、維持費として固定資産税や火災保険が必要になります。仮に固定資産税の平均額が年間10万円とすると、70歳までに400万円かかります。同様に火災保険が年間1万円なら、70歳までに40万円かかります。
そして、40年もの長い期間住むとなると、家にもメンテナンスが必要となります。色褪せた壁紙を張り替えたり、畳を入れ替えるといったものだけではありません。家族構成によって部屋の間取りを変えたり、老後のために室内をバリアフリーにするといったリフォームも必要になります。仮に1回500万円かけるとなると、2回で1,000万円になります。
よって、30歳の人が4,000万円の持ち家を購入し、70歳まで住むと仮定すると、おおよそ6,500万円がトータルコストとしてかかる計算になります。

賃貸にかかる費用はいくら?

次に、その6,500万円の予算で賃貸暮らしをした場合をシミュレーションしてみます。こちらも上記と同様に、30歳の人が70歳まで賃貸物件で暮らすと仮定しましょう。
賃貸の条件として、更新料が2年に1回家賃の1ヶ月分発生するとし、火災保険が年に1万円かかると仮定します。すると、70歳までの家賃に使える費用は、火災保険料の40万円を差し引いた6,460万円になります。そして、2年に1度の更新料を含めて算出すると、毎月家賃として出せる費用は約13万円になります。

生涯に支払う「総支払額」はどっちがお得?

先程のシミュレーションでは、4,000万円の持ち家を購入する経済的な価値は、13万円の賃貸物件に一生住むことに等しい、となりました。「家にこだわりがないから賃貸でいい」と思っている人でも、毎月13万円の家賃がかかると考えたら「4,000万円の持ち家を購入した方がいいかも?」と思うかもしれませんね。
また、支払総額が同程度あれば、最終的には建物や土地が残る持ち家の方がお得とも考えられるでしょう。40年も住めば、建物の価値はほとんどなくなってしまうとしても、土地の売却代金を得ることはできます。
持ち家と賃貸のどちらがお得か、という単純な比較はできませんが「総額いくらの持ち家を買うのか」と「毎月いくらの賃貸物件に住むのか」を考えることでシミュレーションできますね。もちろん、計算上の数字だけでなく、将来設計や家族構成、購入時の年齢や住み続ける期間によって結果は大きく変わってきます。


住居費は生涯の支出において大きな割合を占めています。持ち家を選ぶか賃貸を選ぶかで、その後の生活スタイルも変わってくるでしょう。ご自身の人生設計に合った最適な住まいについて考えるうえでの参考にしてみてください。

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ライター紹介

山本昌義
一級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者。
「一切の商品を売らない」を基本とし、「金融以外も含めた家計全般の支援」を前提に、多数の相談業務を行う。現在は「婚活FP」として、人生の最初の一大イベント「結婚」に注力。成婚前後の男女から、将来を見据えた家計に関する様々な相談を受けている。
ホームページ:http://yamamotofpoffice.com/