手に職をつける!教育訓練給付制度とは

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資格を取りたいけど費用はあまりかけられない……。そんなときに利用したいのが「教育訓練給付金」。一定の条件を満たした人が厚生労働大臣の指定する講座を受講し修了した場合、学費の一部支給を受けられる制度です。簡単に言うと「(条件を満たせば)勉強に費やしたお金が何割か戻ってくる」というものですが、意外にも詳細はあまり知られていません。教育訓練給付制度の仕組みや手続き方法について解説します。

教育訓練給付ってどんな制度?

この制度は「一般教育訓練給付(一般給付)」と「専門実践教育給付(専門給付)」に分かれています。それぞれ受給要件や給付額が異なりますので個別に見てみましょう。

一般教育訓練給付(一般給付)
  • 受給額は原則として受講費用の20%(上限額は10万円)
  • 対象者は原則として雇用保険に3年以上加入している人

3年以上雇用保険に加入していることが受給要件になりますが、初めて利用する場合は「1年以上の加入」でも受給可能となっています(2015年時点)。以前にもこの制度を利用したことがある人は、前回の受給から3年以上経過していなくてはなりません。

専門実践教育給付(専門給付)
  • 訓練期間は最大3年間
  • 受給額は原則として費用の40%(年間の上限額は32万円、3年間で最大96万円)
  • 修了後、職を得て雇用保険の被保険者になった場合は費用の60%が支給される(年間の上限額は48万円、3年間で最大144万円)
  • 対象者は原則として雇用保険に10年以上加入している人

こちらも初めて支給を受けようとする場合は、雇用保険の加入期間は「2年以上」で受給可能です(2015年時点)。より専門的なスキルアップを目指す人向けの専門給付です。専門的かつ実践的な教育訓練のため、対象講座の難易度は高めで受給要件も厳しくなりますが、そのぶん支給額が多く、支給期間も長くなっています。

なお、一般給付・専門給付ともに、雇用保険の加入期間をカウントする際には「受講開始日」が基準となります。

退職していても1年間は支給対象
すでに会社を退職していても、あきらめることはありません。原則として、離職から1年間は支給対象者となります。この場合も期間のカウントは受講開始日が基準になりますので、退職日から1年以内に受講を開始すれば受給可能です。

教育訓練給付金を受け取る手続き

講座修了後の受給の手続きは一般給付でも専門給付でも基本的に同じです。ここでは、一般給付を例に見ていきます。

一般給付受給に必要な申請
  1. 教育訓練給付金の申請書類
  2. 本人の住所確認書類
  3. 受講の修了(基準を満たすことが必要)を証明する書類
  4. 受講料払い込みの証明(領収証またはクレジット契約証明書)
  5. 返還金証明書(受講料の一部が受講先から本人に対して還付された場合に必要)
  6. 雇用保険被保険者証(雇用保険の加入期間の証明として。通常は職場で保管されていますので事前に申請しておきましょう)
  7. 還付金を受け取る金融機関の情報

申請に必要となる主な書類や証明書は以上です。受講者本人が申請するのが基本ですが、1~5までは受講先が代行申請してくれる場合もあります。書類の準備ができたら、受講修了日の翌日から1カ月以内にハローワークに提出しましょう。
受講終了後の手続きについては、専門給付の申請書類も一般給付とほぼ同じです。これに加えて専門給付の場合は、受講前にキャリア・コンサルティングを受ける、顔写真を提出するなどの事前手続きが必要となります。
また、専門給付では受講開始時に「45歳未満」、「初めて受講する」など一定の条件を満たしていて受講期間中に失業している場合、別の給付金を受け取れる可能性もあります。これは「教育訓練支援給付金」というもので、平成30年度までの暫定措置となっています。受講前の手続きとあわせて調べておきましょう。

どんな種類の講座があるの?

教育訓練給付ではさまざまな講座が指定されています。チャレンジしやすい一般給付のうち、人気の高いものをご紹介します。

  • 事務所開業も夢じゃない?独立系資格:社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士など
  • 企業で役立つ!キャリアアップ資格:簿記2級、ファイナンシャルプランナー、ビジネス実務法務など
  • 転職に有利?キャリアチェンジ資格:歯科助手、医療事務、介護事務など

専門給付では看護師や歯科衛生士、理学療法士など、より専門性の高い資格を目指せる講座がそろっています。どちらも厚生労働省の「職業訓練講座検索システム」から講座を調べることができるので、興味がある人はぜひチェックしてみましょう。


雇用保険加入者ならおおいに活用したい職業訓練給付制度ですが、給付条件が細かく設定されているので、事前にしっかりと確認してください。何をやりたいのか、何が必要なのかを見極めて、自分にとって有益な講座を利用したいものですね。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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