学生時代に借りた奨学金、返済はどうする?

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奨学金を受けて大学に進学すると、卒業後に返済がはじまります。ちまたでは、奨学金の返済に困っている人も少なくないといわれており、特に利息が付いている場合は早めに返済を終えたいもの。最も知名度が高く、奨学金利用者の7割以上を占める日本学生支援機構(以下「機構」)を例に、上手な返済について考えてみましょう。

奨学金の返済方法

奨学金には2種類あり、無利息の「第一種奨学金」と卒業後に利息が発生する「第二種奨学金」に分かれています。ここでは、第二種奨学金の返済金額例を年利3%という設定で見てみましょう。

第二種奨学金(利息付き)の返済金額例
  • 4年間、月額5万円の貸与を受け、15年かけて返済する場合:毎月返済額16,769円
  • 4年間、月額10万円の貸与を受け、20年かけて返済する場合:毎月返済額26,914円

第一種奨学金の場合、利息分がないのでもう少し返済額が下がりますが、大体の返済イメージをつかみましょう。

返済計画はしっかりと
借入額にもよりますが、4年間貸与を受けた場合、13~20年ほどかけて返済していきます。長期にわたるので返済計画を立てることが重要です。今いくら返済していて、あといくら残っているのか?それが返済計画の基本ですので、しっかり把握しましょう。自分の返済情報は、利用登録すれば機構のホームページで閲覧可能です。
機構のホームページには、利率や制度改正などの重要な情報も掲載されています。また、近年延滞者の割合が上昇しているため、機構はいろいろな対策を打ち出しています。自分に有利な情報はないか、逆に不利な改正がないか、こまめに確認しましょう。

繰り上げ返済は積極的にするべき?

毎月の返済額に加えて、前倒しで一部の借入額を返済する「繰り上げ返済」。基本的には、可能ならどんどん繰り上げ返済すべきでしょう。繰り上げ返済すれば返済期間が短くなります。逆に返済が長引くと、その後の人生設計に影響を及ぼすこともあるかもしれません。
例えば結婚して家を購入する際、借金があることで住宅ローンの融資額が減らされることもあり得ます。また、奨学金の返済額が結婚後の家計を圧迫する可能性も。
とはいえ、やみくもに繰り上げ返済したことで肝心の生活費が不足してはいけません。できる範囲内での繰り上げ返済を心がけましょう。

利息があるなら、なおさら繰り上げ返済を

繰り上げ返済は、元本(借りた額)部分の返済に充てられます。そのため、利息付きの第二種奨学金の場合は、繰り上げ返済によって利息の軽減効果があり、総返済額が減るというメリットも。
ここで、第二種奨学金の利率についても知っておきましょう。利率の変わらない「利率固定方式」と、「利率見直し方式」のどちらかを選択することになっています。

  • 利率固定方式:利率は当初から変わらず、毎月返済額の変動なし
  • 利率見直し方式:おおむね5年ごとに利率が見直され、利率が上がると毎月の返済額増
  • どちらを選択しても、元本の返済額は同じです(利息分の支払い額が変わる)

在学中は無利息のうえ、利率の上限も3%と決まっているので、ある程度は安心です。ただし利率見直し方式を選択した場合、市場金利が上昇すると高い利率に見直されるため、返済額が増えることになります。市場金利が上昇しそうな時は、特に積極的に繰り上げ返済して元本を減らしておいたほうがいいでしょう。繰り上げ返済が難しい場合は、利率固定方式への変更をおすすめします。

もし返済ができなくなったらどうなる?

返済が滞ると延滞金が発生します。平成17年4月以降に奨学金を借りた人は、期日を過ぎると翌日から年利5%の延滞金が課されるのです。返済できない状況になったら、あわてず機構へ相談しましょう。分割で返済することも可能ですし、病気や失業など正当な理由があれば返済額の減額や返済期限の猶予を受けられる可能性もあります。
支払いのできない状態で連絡をとるのは気が重いかもしれませんが、長期間放っておくと、最悪の場合、法的措置を執られることになります。すみやかに申し出て、少しでも有利な条件で完済を目指しましょう。


返済方法や繰り上げ返済、どうしても返済できなくなったときの対処法などをご紹介しました。奨学金の返済によって生活が苦しくなることがあっては大変です。しっかりと制度を理解し、計画的に返済していきましょう。

参考:
  • 独立行政法人日本学生支援機構
  • 本ページの内容は掲載時点での情報です。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所