1%違うだけで数百万円変わる!?住宅ローン金利のキホン

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数千万円単位で借り入れすることも多い住宅ローン。額が大きいだけに、金利によって返済総額は大きく変動します。でも、そもそも金利って一体何でしょうか。また、返済額にどれくらい影響するのでしょうか。

「元金」と「利息」を理解しよう

金利について考えるなら、まず「元金(がんきん)」と「利息」を知る必要があります。
元金とは借入額そのものです。利息は借りたお金の使用料、と考えるといいでしょう。「利息=元金×金利」となるので、金利が低い方が利息は安いですし、返済により元金(借入額)が減れば利息も減っていきます。返済当初は元金が多いため、毎月返済額のうち利息が高い割合を占めます。つまり、初めのうちは返済しても利息分の支払いに多く充てられるため、元金の減りが遅いのです。特に住宅ローンの金利は重要。住宅は高額なため、通常は借入額が多く元金の減りも遅いです。たとえ1%の違いでも金利負担が大きくなります。
住宅ローンには、「元利均等返済(毎月返済額が一定)」と「元金均等返済(当初の返済額が多く、徐々に返済額が減っていく)」という2つの返済方法があります。ここでは一般的な返済方法である「元利均等返済」について解説していきます。

金利が1%変わると総返済額はいくら変わる?

では、実際に金利が変わると総返済額がどれくらい変わるのかを見ていきましょう。
例えば3,000万円を35年かけて返済する場合、金利が1%異なると返済額はどの程度変わるのでしょうか。全期間固定金利(金利がずっと一定)として試算してみましょう。

  • 借入額3,000万円、35年返済、元利均等返済の場合(ボーナス払いなし)

    金利ごとの総返済額
    • 金利1%の場合 総返済額3,557万円(毎月返済額8万5,000円)
    • 金利2%の場合 総返済額4,174万円(毎月返済額10万円)
    • 金利3%の場合 総返済額4,850万円(毎月返済額11万6,000円)
    • 試算は簡易的なものです。税金や手数料は考慮していません。

上記のケースでは、1%の場合と2%の場合の差額は617万円にのぼります。毎月返済額でも1万5,000円の差が生じており、1%の差が家計に大きく影響を及ぼすことがわかります。なお、1~2%というのは非常に低水準です。2014年~2015年にかけての金利は1%台後半から2%台後半で推移していますが、2010年頃は3%台が主流でした。

低金利の落とし穴とは

1%の金利で617万円もの差が生じるとなると、「金利は0.1%でも安い方がいい」と考えがちです。しかし、安さだけで住宅ローンを選択することはできません。金利のタイプには「固定型」「固定期間選択型」「変動型」の3種類があります。一番金利が低いのは変動型ですが、以下の注意点もあります。

金利上昇リスクに注意
変動型はその名の通り金利変動のリスクがあります。家計に占める毎月の返済額がかなり高い場合は、少しの金利上昇でも返済が難しくなるかもしれません。返済額に余裕がある、余剰資金があり金利が上昇しそうな時に繰り上げ返済も可能、などの条件を満たしている場合に向いているといえるでしょう。
金利動向に注意
また、変動型を選択するなら、金利の動向に敏感でなくてはなりません。例えば繰り上げ返済のタイミングを見極めるとき。金利が上昇しそうなら早期に行いたいですが、金利が下降気味なら返済を急がず資産として保有しておくのも有効な手段です。
なお、固定型と変動型をミックスして借り入れる方法(ミックス型)もあります。金利上昇リスクを抑えつつ返済額が高くなるのを回避できるほか、金利の高い方を優先して繰り上げ返済することで、より効率的な返済ができるのです。ただし、固定型と変動型を併用するので2件のローンを組むとみなされる場合もあります。金融機関により取り扱いが異なるので、事務手数料や諸経費に注意して選択しましょう。

金利によって返済額が大きく異なるため、どうしてもより低金利な住宅ローンに目がいってしまいがちです。しかし返済期間が長いことを考慮すれば、「金利が上昇しない」という安心感も十分魅力的。金利を含め、長い目で住宅ローンを選択することが大切です。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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