住宅の「2019年問題」。私たちのマイホームはどうなる?

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「2019年問題」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?日本の人口は減少傾向にあり、世帯数も2019年をピークに減っていくと予想されています。それにより大きな影響を受けるのが不動産です。マイホームをこれから購入しようと思っている人も、持ち家の資産価値が気になる人も、チェックしておきたい2019年問題。わかりやすく解説します。

2019年を境に世帯数がどんどん減少

国立社会保障・人口研究所によると、日本は2011年から人口減少がはじまっています。単身世帯が増えているため世帯数は増加していますが、これも2019年以降は減少するとされているのです。世帯数が減ることは、空き家の増加につながります。
2016年現在、消費税増税への不安や住宅ローン金利の低さなどもあいまって「マイホームの買い時」と考えている人が多い印象を受けます。しかし、空き家が増えることで、一部では2019年以降に不動産価格が暴落するのではないかとの意見もあるのです。

2019年問題でどんなことが起こる?

では、2019年問題が現実のものとなった場合、私たちにはどのような影響があるのでしょうか?より具体的にみていきましょう。

景観や防犯面に影響が出る「空き家問題」
例えば近隣の住宅で相続が発生したとき、相続人が遠方に住んでいる、ほかに持ち家があるなどの理由で入居せず、空き家になったとします。こまめに手入れをしてくれればいいのですが、管理が行き届かない場合、立木がはみ出したりゴミが散乱したりと周辺の景観が損なわれるおそれがあります。空き家であることが明確な場合、他人が勝手に住み着いたり犯罪に利用されるなど、防犯面でも良くありません。さらに、老朽化が進めば倒壊の危険も生じます。
すでにこうした空き家問題は発生しており、「空家等対策の推進に関する特別措置法」により自治体が対策に乗り出しています。初期段階であれば指導や勧告で済みますが、倒壊の危険がある、景観を著しく損なうなど、一定の条件を満たした場合は解体を求められることも。求めに応じないまま放置すれば、自治体自ら住宅の解体まで行うとしています。
自治体が支出した解体費用などは相続人に請求されるので、空き家を相続する可能性のある人は注意が必要です。修繕費、管理費について親族間で話し合いをしておくといいでしょう。維持が難しい場合は売却や相続放棄などの選択肢も検討しておくといいかもしれません。
不動産市場の停滞
空き家の増加で中古物件市場が活性化するといわれていますが、人口そのものが減少傾向である以上、全体的には不動産市場が停滞すると考えられます。その結果、不動産業界内での統廃合や、不動産価格の下落も予測されているのです。
不動産価格が下がるのはこれから住宅を購入予定の人にとっては朗報ですが、すでに購入済みで、将来売却を考えている人にとってはマイナス要因です。地価が大幅に下落すればライフプランが狂ってしまいますね。

すべての住宅の価値が下がるわけではない

ただし、いくら空き家が増えたとしてもすべての不動産価格が下がるとは考えにくいです。需要があればモノの値段は上がります。都心や駅前など人気のエリアでは価格が上昇し、価格の二極化が進む可能性があるのです。2019年問題は、ブランド立地とそのほかの立地との格差を生むともいえます。
住宅の売却を考えている人は、今住んでいる土地の資産価値をこまめにチェックしましょう。資産価値が下がると判断した場合、早めの売却を視野にいれるという手もあります。逆に購入を考えている人は、立地選びを慎重に行いましょう。低金利の今こそ、今後人気の出るエリアの物件を購入できればうれしいですね。購入を急がないのであれば、2019年まで頭金を貯めながら質のいい中古住宅を探す、というのもアリかもしれません。


まだあまり顕在化していない2019年問題ですが、空き家が増えることによる街の変化は私たちの生活に深く関わってきます。また、不動産価格の下落や上昇も家計に大きなインパクトを与えます。この機会に、どんな住まいを選択するかじっくり考えてみてください。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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