【社会人なら知っておきたい税知識】給与から引かれる住民税とは?

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会社から渡される給与明細に載っている「住民税」。給与から天引きされるこの住民税は、そもそも何のために支払うものなのでしょうか。その仕組みについてわかりやすく解説します。

住民税ってそもそもどんな税?

住民税とは、自治体からさまざまな行政サービスを受けるために支払う税金です。一般的には「都道府県民税」と「市区町村税」から構成されています。
また、住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があり、給与から差し引かれるのは「個人住民税」です。
個人住民税にはいくつかの種類があり、具体的には「均等割」「所得割」「利子割」「配当割」「株式等譲渡所得割」の5つから成り立っています。

均等割
収入を問わず、1人あたりの金額が決まっているものです。現在は、原則的に都道府県民税は1,500円、市区町村税は3,500円となっています。ただし、街の緑化が目的の「横浜みどり税」のように、地域によって少し上乗せとなることもあります。
所得割
所得金額によって税額が決まるものです。通常は、前年の総所得金額から所得控除額などを差し引いた「所得金額」の10%となっています。
利子割
預貯金や国債の利子などに課税されるものです。利子などの収入金額の5%となっています。
配当割
一定の株式などからの配当金に課税されるものです。配当金額の5%となっています。
株式等譲渡所得割
源泉徴収口座を選択している場合、上場株式などの譲渡による収入に課税されるものです。税率は5%となっています。

どうして入社2年目から天引きされるの?

前述の「所得割」は所得金額によって税額が決まりますが、これは「前年の総所得金額」が対象です。よって、今年の4月に入社した新入社員などは、前年の所得がなければ入社1年目は住民税を支払いません。入社2年目に入って、はじめて給与から住民税が差し引かれるようになります。入社2年目になって給与から住民税が天引きされるようになったことで、1年目よりも手取りが減って驚いた、というのも珍しくない話です。入社2年目以降の天引き額を考慮した上で、お金の使い方を考えないといけませんね。
また、原則として住民税は自分で申告する必要はありません。国に納税する所得税は、会社が年末調整をしてくれない場合などは自分で税務署に確定申告をする必要があります。しかし、住民税はこのような場合でも申告は不要で、所得税の確定申告の情報をもとに、自治体が住民税を計算して納税通知書を送ってくれます。

支払い義務のある人とは?

住民税の納税義務は何を基準に決まるのでしょうか。均等割と所得割については、1月1日の時点でその都道府県や市区町村に住所がある人が対象となります。または、住んでいなくても、事務所や家屋敷を持っている人(借りている場合は含み、貸している場合は除く)には、均等割が課税されます。均等割と所得割の納税方法は、給与をもらっている人の場合、6月から翌年5月まで毎月給与から天引きされています。公的年金をもらっている人は、年金から天引きされています。それ以外の人は、原則として6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納税することになります。
一方、利子割、配当割、株式等譲渡所得割については、該当する収入を得た人に納税義務があります。これらの納税方法は、銀行や証券会社などがその収入金額を私たちに支払うときに、住民税を差し引いています。


身近なようで意外と知らないことも多い住民税。どの種類の住民税をどれくらい支払っているのか、あまり自覚がなかった…という人もいるのではないでしょうか。特に「所得割」は前年度の総所得金額をベースに計算されるものなので、今後ライフステージが変わるときには注意しておきたいポイントですね。

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ライター紹介

松本喜子
ファイナンシャルプランナー(CFP®、1級FP技能士)。
数少ない、保険などの金融商品を販売しないファイナンシャルプランナー。法律事務所で働きながらFP資格を取得。企業内にて数百人のお客様からFPとして家計相談を受け、中立的な独立系FP会社にて経験を積む。現在は、個別相談、講師、コラムの執筆など、FPとして独立して活躍中。
ホームページ:http://hanafp.jp/