私たちの生活にインフレとデフレはどう影響するの?

マネープラン

テレビや新聞のニュースでよく耳にする「インフレ」と「デフレ」。実はきちんと理解できていない、という人も多いようです。このふたつは私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。

そもそもインフレとデフレって?

インフレとは?
身近な例で考えてみましょう。
例えば、牛丼の特盛の値段が700円なら、当然手元に700円あれば食べることができます。しかし、値段が1,000円に上がってしまったら、300円足りなくなってしまいます。つまり「モノの価値が上がり、お金の価値が下がる」という状態になったのです。そして、この状態が長く続くことをインフレ(インフレーション)といいます。
デフレとは?
今度は、デフレの例を見てみましょう。
こちらも同様に、牛丼の特盛の値段が700円だとします。手元にあるお金が700円なら1杯しか食べることができません。でも、牛丼の値段が下がって350円になると、今度は2杯食べることができます。インフレとは逆に、「モノの価値が下がり、お金の価値が上がる」という状態になったのです。そしてこの状態が長く続くことをデフレ(デフレーション)といいます。

モノの価値が下がるとどうなる?

「特盛が2杯食べられるようになるなら、デフレはよいことでは?」と思うかもしれません。確かに、たくさんのモノが買えるようになるのは、消費者にとってはうれしいことです。しかし、経済全体で見るとよいことばかりではありません。モノを売る企業は困ります。安い値段でしか売れないので、売り上げは増えず利益も出ません。当然、企業の業績は悪化します。そうなるとどんなことが起こるでしょうか。その企業に勤める社員の給料は減るでしょう。最悪の場合、会社が倒産して失業してしまうかもしれません。モノの価値が下がってしまうデフレは、実はとても恐ろしい状態なのです。

収入が上がらないことによる「負のスパイラル」

このようなデフレの状態が続くと、消費者はどういう行動を取るでしょうか。モノの値段がどんどん下がると消費者は安売りに慣れてしまい、「もっと下がるまで買うのをやめよう」という買い控えが起こります。そうなるとまた企業の業績が落ち、社員の給料が減ります。消費者は給料を受け取る人でもありますから、収入が上がらないとさらに買い控えが起き、より一層企業の売り上げが落ちる。これが延々と繰り返されてしまうのです。このような悪い循環に陥ることを、デフレの「負のスパイラル」と呼びます。

最近までのかなり長い間、日本はデフレの状態にありました。先ほどの例に挙げた牛丼やファーストフード、居酒屋チェーン店などの低価格競争が記憶に新しいところです。そして、今の日本はこのデフレから「何とか抜け出そう」としています。
一方、インフレになってもやはり困ります。過去に日本でもインフレがありました。有名なのはオイルショック(石油危機)です。特に1973年からの第一次オイルショックでは、原油が世界的に不足して石油製品の値段が急激に上がりました。トイレットペ-パ-や洗剤の買い占めが起こり、これらを買い求める人で連日お店の前に行列ができたのです。インフレが起きると、モノの価値がどんどん上がり、お金の価値がどんどん下がります。例えば今まで300円で買えていたトイレットペーパーが翌週には1,000円になり、翌月には2,000円になるということも起こり得るのです。こうなると、お金がいくらあっても足りませんね。


価格競争によりモノやサービスの値段が下がることは、一見消費者にとってメリットのあることに思えますが、実はデフレもインフレも好ましいことではないのです。日々の買い物や外食など、私たちの消費行動はデフレやインフレと密接に結びついていることを覚えておきましょう。

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ライター紹介

一色徹太
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
金融商品や保険を販売しない中立的な独立系のファイナンシャル・プランナーとして、個人のマネー・ライフプラン相談、講演・セミナー、執筆等に従事。東証(東京証券取引所)でJPXアカデミー講座の講師も務めている。
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