2016年から非課税枠拡大!NISA(少額投資非課税制度)はどう運用する?

マネープラン

2014年からはじまった少額投資非課税制度、「NISA(ニーサ)」。2016年からは非課税枠が拡大し、「ジュニアNISA」も登場予定ということで、さらに話題になっています。NISAのメリットと、どう運用すべきかについて見ていきましょう。

NISAは税金面でメリットが大きい

NISAとは、開設した専用口座から新たに投資する株式や投資信託の収益(配当金・売買益など)が5年間非課税になる制度で、投資額の上限は年間100万円(5年間で最大500万円)です。個人、特に若い年代層に幅広く投資を促す目的ではじまりました。株価上昇も追い風になり、金融庁の調査によると2015年6月末の口座数は921万件強に達しています。

2016年から、非課税投資枠が5年間で最大600万円に
NISAの最大のメリットは税金面にあります。通常、証券会社の特定口座や一般口座で株式や投資信託を売買した場合は、配当金や売買益に対して20.315%の税金がかかります。NISA口座ではこれがゼロ、つまり非課税なのです。しかも、この非課税の投資枠100万円は2016年1月から120万円に引き上げられます。5年間非課税なので、現在は累積の非課税枠が最大500万円ですが、これも600万円に引き上げられるというわけです。
ただし、この非課税枠は、使わなかったからといって翌年に繰り越すことはできません。また、NISA口座では途中売却は自由ですが、一度売却して利益を確定してしまうと、その使った分の非課税枠をその年にもう一度使うことはできないのです。たとえば、60万円分投資して全額売却した場合、いくらで売却したかに関わらず、その年では残り60万円分しか投資できない(2016年以降の場合)ので、注意が必要です。
5年経ったらどうなる?

5年間の非課税期間が終了したあとは、

  1. 売却して終了する
  2. 非課税期間が終了した翌年の非課税枠に移管する(さらに5年間非課税を利用できますが、移管できるのは非課税枠の120万円までです)
  3. 特定口座や一般口座などの課税口座に移管する

という3つの選択肢があります。

証券会社はどうやって選ぶ?

「NISAで運用をはじめてみようかな」と思う人もいるでしょう。口座開設にあたり、まず迷うのが証券会社選びです。どの証券会社でもNISA口座を開設することは可能ですが、ここでは証券会社選びのポイントをいくつか挙げてみます。

商品の品ぞろえ
特に、投資信託のラインナップは証券会社によって大きく異なります。必ずしも「商品数が多いほうがよい」というわけではありませんが、NISAに適した長期運用タイプの商品は必然的に投資対象候補になります。やはり投資信託商品の選択肢を多くそろえている証券会社のほうがよいでしょう。
コスト(手数料)
コスト(手数料)も重要です。手数料とは、売買手数料(購入時手数料)や投資信託の信託報酬、信託財産留保額などです。せっかくの非課税枠も、手数料が高ければ投資のメリットが薄れてしまいます。ネット証券を中心に、NISA対象商品の売買手数料を割り引くところや、期間限定で無料にしているところもありますので、しっかり調べて選びましょう。ほかにも、口座開設キャンペーンの一環で、住民票取得の代行サービスやキャッシュバックを実施している証券会社もあります。
情報提供サービス
NISAは非課税のメリットばかりが注目されがちですが、やはり「投資」である以上は自己責任となります。特に、非課税のメリットを活かすためには利益を出さなければなりません。株式や投資信託の分析、相場予測に関して分かりやすい分析ツールがある、マーケット情報をタイムリーに入手できる、など情報提供サービスが充実している証券会社を選ぶようにしましょう。
なお、NISA口座は銀行でも開設することができます。しかし、銀行で開設したNISA口座からは株式の購入ができない、投資信託商品の種類が少ない、といったデメリットがあります。ひとり1口座しか開設できないので、やはり証券会社で開設すべきでしょう。

NISA、ジュニアNISAはどう運用すべき?

では、実際にNISAではどのように運用すればよいのでしょうか。2つの場合に分けて見てみましょう。

NISAの運用法
  • あまりリスクを取りたくない場合
    投資におけるリスクとは「危険性」ではなく、「損益のブレ」をさします。この損益のブレが比較的小さい商品は、一般的に“分散投資型”の商品です。例えば、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4資産をすべて組み入れている分散投資型(バランス型)の投資信託を、非課税枠内で毎月同額購入していく方法が挙げられます。各資産ともインデックス型(東証株価指数や日経平均株価などの「指数」に連動する値動きを目指すタイプのファンド)であれば、なおよいです。非課税期間の5年を意識し、長期投資でじっくり構えましょう。
  • 積極的に運用したい場合
    積極的に運用したい場合は、国内株式や外国株式などの高リスク商品を多く組み入れることになります。たとえば、国内株式のETF(上場投資信託)と外国株式のETFを組み合わせ、低いコストで世界中の株式に国際分散投資する、積極収益追求型の投資信託を組み入れることなどが考えられます。REIT(不動産投資信託)や金・原油の商品ETFなど、株式と値動きの異なる商品を一定程度組み入れるのも効果的です。
ジュニアNISAの運用法

最後に、2016年からはじまる、未成年者を対象としたジュニアNISAについてふれておきます。口座開設者(口座名義)は未成年の子や孫ですが、主に親や祖父母などの親権者が本人に代わって投資します。制度の仕組みは通常のNISAと同じですが、非課税枠は毎年80万円で累積の非課税枠は最大400万円です。本人が18歳になるまでは、原則口座から資金を引き出せません。
子や孫自身が投資できるわけではありませんが、たとえば

  • 金融経済教育の一環として、子どもと一緒に銘柄選びをして株式投資の仕組みを学ばせる
  • 学資保険の代わりに教育資金積立目的で運用する

などの活用法が考えられます。


NISA、ジュニアNISAで運用後、5年間の非課税期間終了時に投資資産が値下がりしていて、損失を出すケースもありえます。それでも、有効に活用すれば長期の資産形成には大いに役立ちます。制度内容を理解し、賢く資産を増やしましょう。

参考:
  • 金融庁|NISA口座の開設・利用状況調査
  • 本ページの内容は掲載時点での情報です。

ライター紹介

一色徹太
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
金融商品や保険を販売しない中立的な独立系のファイナンシャル・プランナーとして、個人のマネー・ライフプラン相談、講演・セミナー、執筆等に従事。東証(東京証券取引所)でJPXアカデミー講座の講師も務めている。
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