銀行に預けていれば安心?知っておきたいペイオフとインフレリスク

マネープラン

すぐに引き出せて気軽に貯蓄できるという利便性や安心感が、銀行預金の大きなポイント。資産のほとんどを銀行に預金しているという人も多いのではないでしょうか。しかし、金融機関が破たんした場合や、インフレが起きた場合を想定すると預金にもリスクがあります。具体的に見ていきましょう。

銀行預金のメリットは利便性

ここ数年、大手銀行における普通預金の金利は年0.020%程度です。これは、100万円を1年間預けても200円の利息にしかならないということ(税金は考慮していません)。若い世代には想像もつかないかもしれませんが、1970年~1980年代初頭には、10年固定の金利が10%超えの商品も存在しました。当時のお宝預貯金と比べると、現在の金利はまさに「超低金利」ですが、預金には金利以外の魅力もあります。
銀行預金の良さは、安心感と利便性です。普通預金であればいつでも出し入れ自由。定期預金の場合でも、中途解約が可能です。中途解約をすると当初の想定より低い金利が採用されてしまいますが、元本割れするようなことはありません。
メガバンクならATMもいたる所にあります。また、「預金残高が一定以上ある」「銀行のクレジットカードを使用する」などの条件を満たすことでATM手数料が無料になるといった特典も多いです。
インターネットバンキングを利用すれば、スマートフォンやパソコンから振込依頼や残高確認ができ、入出金があるとメールでお知らせが届くところも。インターネットバンキングは今後もさらに利便性が高まりそうです。

1,000万円保障される「ペイオフ」

金融機関が破たんした場合、預金はどうなるのでしょうか。金融機関は、万が一の場合に備えて「預金保険機構」に加入しています。金融機関が破たんした場合、預金保険機構は金融機関への資金援助、もしくは預金者への直接支払いという形で預金者を保護してくれます。預金者への直接支払方式は、一般的に「ペイオフ」と呼ばれる制度です。元本割れしない安心感と利便性のほかに、預金が保護されるところも銀行預金の良さといえるでしょう。しかし、ペイオフには以下のような制約があるので注意が必要です。

ペイオフの範囲
通常の預金(普通預金、定期預金)や決済用預金(当座預金・利息のつかない普通預金)など、多くの預金は保護の対象ですが、外貨預金、譲渡性預金、特定の金融債などは対象外です。
また、通常の預金と決済用預金とでは保護の範囲が異なります。決済用預金は全額保護ですが、通常の預金は上限があります。上限は原則として、1金融機関ごとに「預金者1人当たり元本1,000万円までと破たん日までの利息」です。1,000万円を超える部分に関しては、破たん金融機関の財産状況によって支払いの有無が決まります。超過部分の取り扱いは未知数ですし、1,000万円以下でも破たん時には預金の引き出しが一時的にできなくなる可能性も。預金が増えた場合は複数の金融機関に預けて、リスクを分散させることも考えておきましょう。
なお、外国銀行の在日支店は預金保険機構の対象外(保険は任意加入)です。

預けていたら価値が減る?インフレリスクとは

預金は「元本割れのリスクがない」ものの、インフレーション(インフレ)に弱いという弱点があります。インフレとは、「物価が上昇してお金の価値が下がる」ことをいいますが、具体的にどのようなことなのでしょうか。

モノが高くなると、相対的にお金の価値は下がる
例えば、現在100万円の新車を1年後に購入しようと思い、100万円を預金しておいたとします。しかし1年後にその車を買おうとしたら、物価上昇により価格が200万円に値上がりしていたとしたらどうでしょう。
車を基準に考えると、今は「100万円=車」であり両者の価値は等しいですが、1年後には倍の200万円を払わないと買えません。つまり、お金の価値が車の価値の半分に下がってしまうのです(ここでは利息については考慮していません)。

「1年で価格が倍」という例は極端なものですが、「幼いころのお年玉」や「若いうちから貯めておいた老後資金」など長期性の預金はインフレリスクが大きいでしょう。長期間使わない預金は積極的に資産運用をするのもひとつの手です。銀行預金の長所と短所を知り、上手に資産を守っていきましょう。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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