円安時に引き出せばトクできる?外貨預金の仕組みと注意点

マネープラン

日本は現在、超低金利。銀行に預金していても、わずかな利息しか得ることができません。そこで頭をよぎるのが「外貨預金」。しかし、「TTS」や「TTB」など、ちょっと理解しづらい用語も出てきます。外貨預金の仕組みや注意点について、わかりやすく解説しましょう。

外貨預金とは?

外貨預金とは、外国通貨建ての預金のこと。都市銀行や地方銀行、外国銀行、信用金庫などの金融機関で扱っており、通貨の種類も米ドルや豪ドル、ユーロなどさまざまです。国内の一般的な預金は円で預け入れて円で引き出しますが、外貨預金の場合は、円を外貨に交換して外貨で預け入れるのです。引き出す時は、外貨を円に交換します。

外貨預金のメリット

外貨預金には、以下のメリットがあります。

  • 外国通貨の高い金利を受け取ることができる
  • 為替相場の変動により、為替差益を得ることができる

日本の預金は現在とても低金利です。アメリカをはじめ他の国々の金利も低くなっていますが、それでも日本よりは金利が高い国が多いです。外貨預金で運用することによって、円預金よりも高い金利で利息を増やすことができます。また、為替相場の変動により、預け入れる時より引き出す時の方が円安になると、為替差益を得ることも可能です。

外貨預金のデメリット

しかし、以下のデメリットもありますので注意しましょう。

  • 為替相場の変動により、為替差損を被ることがある
  • 手数料がかかる

外貨預金でもっとも注意しなければいけないのは、為替相場の変動によって為替差損を被るケースがあること。つまり、為替変動リスクがあるのです。預け入れる時より引き出す時の方が円高になると、為替差損が発生して預け入れた円の元本額を割り込んでしまう「元本割れ」が生じることもあります。
また、手数料もかかりますが、これについては次で詳しく解説します。

外貨預金の注意点

外貨預金には、為替変動リスク以外にも注意すべき点があります。順に見ていきましょう。

預け入れる時と引き出す時の為替レートが異なる
外貨預金をはじめる際、円を外貨に交換するときは、その時点の為替レート「TTS(対顧客電信売相場)」で換算します。
その後、引き出しの際に外貨を円に交換するときは、その時点の為替レート「TTB(対顧客電信買相場)」で換算します。
TTSとTTBではレートが異なるので、預け入れる時の為替レートが、引き出す時にそのまま適用されるわけではありません。
為替手数料がかかる
TTS、TTBともに、各金融機関が独自に決定する一定の為替手数料が含まれています。たとえば、実際の為替レート(これを仲値(なかね)といいます)が1ドル=119円で、「TTS=120円、TTB=118円」の場合は、仲値との差の1円が為替手数料になります。預け入れ時と引き出し時の仲値がどちらも1ドル=119円だとすると、それぞれ1円ずつの為替手数料がかかることになります。金融機関によっては、この手数料がさらに高くなる場合もあり、注意が必要です。
預金保険の対象外
外貨預金は「預金」という名がついていますが、元本の保証はありません。必ず元本が戻ってくる円預金(普通預金、定期預金等)とは性格が異なります。また、金融機関が破たんした場合に、1金融機関1預金者あたり元本1,000万円までと破たん日までの利息等を保護してくれる「預金保険制度」の対象外であることも覚えておきましょう。

どんな人に向いているの?

最後に、外貨預金に向いているのはどんな人なのか、ご紹介しましょう。

  • 余裕資金を運用したい人
  • 外貨建て資産に分散投資したい人
  • 海外旅行や長期滞在の予定がある人
  • 為替変動リスクを理解している人
  • 自分で為替見通しをたてられる人

外貨預金に、なけなしの生活費をつぎこむことは厳禁です。逆に、余裕資金を運用したい人には向いています。また、自分のポートフォリオ(資産構成)の中で円資産の比率が高く、外貨建て資産に分散投資したい人や、海外旅行や海外長期滞在など、将来その外貨を使う可能性がある人にもよいでしょう。そして、為替変動リスクを理解し、自分で為替見通しをたてられることももちろん重要です。


外貨預金には、どの通貨を選ぶか、預入期間、税金といった留意点がほかにもあります。多くの金融機関がウェブサイト上で外貨預金のシミュレーション機能を用意しているので、事前に試算してみるのもオススメです。外貨預金の仕組みや注意点、メリット・デメリットを理解して、賢く資産を増やしましょう。

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ライター紹介

一色徹太
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
金融商品や保険を販売しない中立的な独立系のファイナンシャル・プランナーとして、個人のマネー・ライフプラン相談、講演・セミナー、執筆等に従事。東証(東京証券取引所)でJPXアカデミー講座の講師も務めている。
ホームページ:一色FPオフィス