保険と共済、どんな違いがあるの?

マネープラン

事故や入院、死亡といった、もしものときに私たちを助けてくれるのが保険です。しかし、「安心のために」と加入し過ぎると、保険料の負担が大きくなります。そのため、比較的掛金が安い「共済」への加入を検討している人も多いのではないでしょうか?保険と共済は一体何が違うのか。それぞれの特徴をご紹介します。

共済は保険とどう違う?

まずは共済の目的や保険との違いについて見ていきましょう。

そもそも、「共済」とは?

保険は民間の保険会社が行う営利事業なので、会社は株主や社員のために利益を上げなければなりません。一方、共済は営利ではなく、会員相互の「助け合い」が目的です。
共済に加入する場合、基本的には組合員になる必要があります。共済は地域や職業、企業などによって組織されており、要件を満たしたうえで、100円~数千円程度の出資金を払い込むことで組合員になることができます(加入要件や出資金の額は各共済により異なります)。
では、具体的に共済をいくつかご紹介します。

  • JA共済
    原則として農家組合員、もしくは出資金を支払った準組合員が加入可能。ただし、JAごとに組合員の2割までなら、農家組合員以外でも出資金不要で利用可能です。
  • 県民共済や都民共済など
    39都道府県に広がる、地域に根ざした共済です。他の都道府県へ転出する場合は、転居先の都道府県民共済に保障を引き継ぐことができます。共済がない県もあるのでご注意ください。
  • CO・OP(コープ)共済
    コープとは、生活協同組合(生協)の略称です。生協の組合員が加入可能。近くの生協(店舗または宅配センター等)に窓口があります。
適用される法令や用語も違う

保険は「保険業法」という法令により規定されていますが、共済の場合は、各共済によって適用法令が異なります。例えば、JA共済は「農業協同組合法」、生協や労働組合の共済は「消費生活協同組合法」に規定されています。ただし、保険法(保険契約に関する一般的なルールを定めた法律)は、共済にも適用されます。
また、保険と共済では意味が同じでも異なる名称を使用するものがあります。

  • 「共済金」
    実際に死亡や事故、病気など保障範囲内の事象が発生した際に受け取れる金額のこと。保険では「保険金」と呼びます。
  • 「共済掛金」
    保険では、保険料のことを「掛金」とも呼びますが、共済では特に「共済掛金」と呼びます。
  • 「割戻金(わりもどしきん)」
    保険では「配当金」と呼ばれるものです。剰余金が発生した場合に受け取ることができます。保険では無配当の商品もありますが、共済では剰余金が発生した場合は契約者に公平に分配されます。

保険と共済は、リスクに備える商品であるという共通点があります。しかし事業の目的が異なるため、組織や根拠とする法律などの違いがあるのですね。

共済と保険、それぞれの強みは?

では、それぞれの強みを見ていきましょう。

共済:掛け金が安く支払いのスピードが早い
共済は、販売費や広告費などの経費を抑え、掛け金を安くしています。保障内容ではなく、その他の経費を削減した結果なので、保障内容の割に掛け金が安いというお得感がありますね。また、請求書類の簡素化や現金を用意する手続きの迅速化などの取り組みを行っており、支払いのスピードも早いと言われています。
保険:豊富な保険商品からチョイスできる
一方、保険の強みは商品や保障、サービス内容の豊富さです。特約で特定の病気に対しピンポイントに備える、子どもが大学を卒業するまでは高い保険金額を設定するなど、多くの選択肢があります。販売員が定期的に自宅や職場へ来てくれる、医師や看護師へ電話相談できるといったサービスがあるなど、サポートが充実している商品もあります。
なお、保険会社の中でも近年は販売費や広告費などの経費を抑えて保険料を安くする「ネット保険」が台頭しています。そういった保険は、共済寄りの商品内容だともいえるでしょう。

共済と保険を併用するという選択も

共済はいざという時の「助け合い」を目的としています。そのため、満期のある商品が多く、終身型商品が手薄になる傾向があります。子どもが小さい時期などに万が一の事態に陥ると生活を維持するのが難しくなるので、一定期間に限り保障を得られる定期型に力を入れているのでしょう。また、共済金は受取金額の少ない商品が多いです。
保障内容を充実させたいなら保険のほうがいいといえますが、共済の掛金の安さも捨てがたいという場合は、併用もオススメです。例えば、60歳までの掛け捨て生命共済と、終身の生命保険を併用するという方法があります。共済をメインにして、受取金額や保障内容が足りない部分は保険に加入することにより、出費の削減がはかれます。


保険と共済は似て非なるものです。最終的に求めているのが「内容、保障の充実」なのか「一定額、一定期間の安心」なのか。そこを見極めることで、どちらを選ぶか、もしくは併用するかの答えが見えてくるはず。家族ともよく話し合い、よりよい選択をしてください。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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