払った税金は結局何に使われているの?知っておきたい私たちの税金の使い道

マネープラン

私たちは国に税金を納めていますが、何にどれくらい使われているかイメージできますか?ふだんから国や自治体の予算や使い道をチェックしておくことで、政治への関心やお金に関する意識も高まります。選挙において誰に1票を投じるべきか見極める目を養うためにも、税金の行方を知っておきましょう。

国の税金の使い道 TOP5は?

税金の使い道について、平成28年度一般会計予算(平成28年3月29日成立)を例にご紹介します。歳出総額は96兆7,218億円です。割合が大きい順に見ていきましょう。

第1位 社会保障関係費33.1%(31兆9,738億円)
社会保障費は私たちの生活を守るためのもので、医療、年金、介護、生活保護などの財源となります。社会保障費のために多くの税金を納めなければなりませんが、それにより病院での自己負担が原則3割ですむ、失業保険(求職者給付の基本手当)がもらえる、年金を受給できるなどの恩恵があります。
第2位 国債費 24.4%(23兆6,121億円)
こちらは過去に国がつくった借金の返済費用です。国債というのは、国が発行する債券のこと。私たちも国債を購入することができ、満期(償還日)が訪れれば利子と元本を受け取ることができるのです。国側から見れば、償還時に利子と元本の支払いが必要になり、それが「国債費」ということになります。
第3位 地方交付税交付金等 15.8%(15兆2,811億円)
地方交付税は、本来地方の収入になるべきですが、国が一旦徴収して地方自治体に再分配しています。自治体間で税収に開きがあり、その格差を埋めるためです。これにより、北海道から沖縄県まで医療費の負担割合や限度額、警察や消防といった公的サービス等が日本全国で共通となっています。
第4位 公共事業関係費 6.2%(5兆9,737億円)
主な使い道は、町の整備や住宅支援、道路の整備、災害対策などです。空港や港、公園などの整備にかかる費用もここに含まれます。
第5位 文教及び科学振興 5.5%(5兆3,580億円)
こちらは学校教育や科学技術の発展のためのもの。具体的には、教科書の配布や国公立大学法人への援助、公立小中学校の先生の給与支払いなどに使われます。

税金の使い道について、TOP5をご紹介しましたが、上位3つまでで全体の7割強を占めていることがわかります。「社会保障費の増加」「国の赤字」といったキーワードは日常的に耳に入ってきますね。実際の予算配分を知ったうえでニュースや政治家の発言を聞くと、その内容や意図がより深く理解できるのではないでしょうか。

自治体では?東京都の予算の使い道

より身近な地方自治体の予算はどうなっているのでしょうか。平成28年度の東京都の予算をご紹介します。歳入は約7割が都税で、都債(都の発行する債券)や繰入金なども含め総額7兆110億円。そのうち1兆円を超える大きな歳出は以下の通りです。

第1位 公債費・税連動経費など(1兆9,178億円)
「公債費」は都債の償還金のこと。「税連動経費」というのは、都が一度徴収した後、税金の一定割合を市区町村に交付する費用のことです。税連動経費については、実質的に都が自由にできない部分ということですね。
第2位 福祉と保健(1兆1,668億円)
高齢者支援、子育て支援、児童相談などに使われます。
第3位 教育と文化(1兆962億円)
教育や学校に関する支出、図書館などに使われます。

以上が第3位までの内訳ですが、このほかにも都の税金は都市の整備、警察と消防など私たちの生活に必要なものに使用されています。

選挙は税金を誰に託すのかを決めるもの

税金の負担率と社会保障の負担率を足したものを「国民負担率」といいますが、日本の国民負担率は43.9%。主要先進国、例えばアメリカの32.5%、イギリスの46.5%、ドイツの52.6%と比較して決して高い水準ではありません。しかし、国内に目を向けた場合、若い人ほど税金の恩恵を受けにくいといわれています。

  • 国民負担率は、日本が2016年度の見通し。ほかの国は2013年の数値です。

日本が超高齢社会である以上、高齢者の受益がより大きいのは仕方ないことかもしれません。しかし、このまま少子高齢化が進行すると、ますます負担が重くなってしまいます。わたしたちは、今一度税金の使い道にしっかりと目を向けるべきではないでしょうか。


わたしたちは、税金の使い道を決めることはできません。しかし、使い道を決める人(政治家)を選ぶことは可能です。大事な税金の使い道を誰に託すのか。しっかり見極めて選挙に臨みたいですね。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所