初心者向きってホント?純金積立の基本知識

マネープラン

「金(きん)は不況に強い」といわれることがあります。純金積立という資産運用方法を聞いたことがあっても、実際にどのように運用すればいいのか、想像しづらいという人も多いはず。純金積立の仕組みからメリット・デメリットまで見ていきましょう。

純金積立とは?

2016年現在は、株価や為替が大きく動いており、リスクを抑えながら長期投資をすることが難しい情勢です。加えて、日本銀行によるマイナス金利政策が導入され、預金金利も大きく下がりました。こうしたなか、投資先として「金」が注目されています。資産運用のリスク回避のために、分散投資の一環で金に資金を振り向ける人が増えているのです。
金投資には、「純金積立」「金ETF(上場投資信託)」「金貨」「金地金」などがありますが、なかでも投資初心者に人気が高いのが純金積立です。詳しく見てみましょう。

純金積立の仕組み
純金積立とは、毎月同額で自動的に金を買って積み立てていくものです。非鉄金属メーカーや地金商、一部の証券会社などで購入可能。毎月の積立金額は取扱会社によって異なりますが、一般的に1,000円~3,000円程度からはじめることができます。
なお、毎月特定の日にまとめて買うのではなく、“毎日”買うことになります。例えば、毎月の積立金額が10,000円で、その月の営業日が20日の場合、
10,000(円)÷20(日)=500(円)
となり、毎日500円ずつ買うのです。
このように、価格変動のある商品を定期的に一定金額で買う方法を「ドル・コスト平均法」といいます。結果的に価格が高い日は少なく買い、価格が低い日は多く買うことになるので、リスクを抑えて一般的には平均取得価格を引き下げる効果があります。
純金積立のメリット
純金積立には、以下のようなメリットがあります。
1.ポートフォリオ(運用資産全体)のリスク低減(抑制)効果がある
金は、株式や債券、為替などの資産と全く異なる動きをすることがよくあります。そのため、金を資産に加えることにより、ポートフォリオの価格変動リスクを引き下げる効果が生まれるのです。
2.価値がゼロにならない
現金や有価証券などの金融資産とは異なり、金はそのモノ自体に価値がある実物資産。そのため、価値がゼロにならないこともメリットといえるでしょう。
3.有事(戦争、紛争、テロなど)やインフレに強い
株式や債券で起こりうる、企業の倒産リスクを心配する必要がないことからも、金は昔から「有事に強い」といわれています。インフレ(モノの価値が上がり、お金の価値が下がる状態が長く続くこと)に強いことも見逃せません。金はモノ(=実物)なので、インフレ時には価格が上がる傾向があるからです。
4.値上がりすれば、売却益が期待できる
購入後に金が値上がりすれば、売却益が期待できることはいうまでもありません。
純金積立のデメリット
もちろん、純金積立にもデメリットがあります。
1.配当や利息がつかない
まず、株式や債券と異なり配当や利息がつきません。つまり、金が値上がりしない場合は、持っているだけでは何も資産が増えないのです。
2.手数料がかかる
取扱会社によって異なりますが、年会費や買付手数料などのコストがかかります。
3.元本保証がなく、値下がりリスクがある
「積立」とついていますが、金の相場動向によっては当然ながら値下がり(価格変動)リスクがあります。つまり元本割れのリスクがあることをしっかり理解しておきましょう。

純金積立はどうはじめればいいの?

では、実際に純金積立をはじめるには、どうすればいいのでしょうか。

積立開始までの流れ
純金積立をはじめる場合、まず前述の地金商や非鉄金属メーカー、証券会社などから資料を取り寄せ、条件をよく確認しましょう。取扱会社を選び、口座を開設して毎月の積立金額を決めれば、純金積立を開始することができます。証券会社の場合、他の口座をすでに開設していれば、追加で口座を設定するだけですむことも。
金の保管方法について
金の保管方法についても確認しておきましょう。以下の2つの方法があります。
  • 特定保管
    特定保管とは、顧客の金とその取扱会社の金を明確に区分して管理する方法です。万一会社が倒産した場合でも、顧客の金は保全されます。
  • 消費寄託(しょうひきたく)
    消費寄託とは、顧客の金と取扱会社の金をまとめて管理する方法です。万一会社が倒産した場合、顧客に金が戻ってこない可能性があります。

特定保管と消費寄託のどちらを採用しているかは、取扱会社によって異なります。特定保管が安心に見えますが、消費寄託の場合は金をまとめて管理・運用するため、利益の一部が還元されて手数料が安くなる場合もあるのです。

どんな運用方法がいいの?

一般的に国内株式や外国株式に比べ、金の価格変動リスクは小さいため、純金積立は比較的安定的な資産運用の方法といえます。ただし、前述のとおり配当や利息がつかないため、値上がりしない限り資産が増えません。
そのため、組み入れ割合は多くても10%~20%程度が目安でしょう。国内株式、国内債券、外貨建商品など、他の資産と組み合わせて運用するときに、純金積立の存在意義がもっとも発揮されるといえます。


現在のような不透明な金融・経済情勢においては、純金積立は魅力的な商品です。純金積立の仕組みやメリット・デメリットを正しく理解し、賢く活用して資産を増やしましょう。

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ライター紹介

一色徹太
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
金融商品や保険を販売しない中立的な独立系のファイナンシャル・プランナーとして、個人のマネー・ライフプラン相談、講演・セミナー、執筆等に従事。東証(東京証券取引所)でJPXアカデミー講座の講師も務めている。
ホームページ:一色FPオフィス