なんだか怖い印象も?「連帯保証人」を正しく理解しよう

マネープラン

ドラマなどによく登場する「連帯保証人」。連帯保証人になった人が、借金を肩代わりする…なんてシーンを観たことがある人もいるでしょう。「連帯保証人になると危ない」ということはわかります。しかし、「連帯保証人がどんな責任を負うのか」については不明な点も多いのでは?そして連帯保証人と似た響きの「身元保証人」についてはどうでしょうか?それぞれの責任や性質について解説します。

連帯保証人は、自分が借金したのと同じ状態

連帯保証人の責任は、法律で決まっています。そのため、「知らなかった」ではすまされない点がありますし、「連帯保証人」になった場合には、規定の責任を果たす義務があるのです。「もしあなたがAさんの連帯保証人になったら」という想定で責任の内容を見ていきましょう。

  1. いきなり借金を請求されることも
    私たちが通常持つ借金の取り立てイメージはどのようなものでしょう。「最初の請求はAさんの元にいく」「Aさんが支払えない場合、連帯保証人に請求がいく」という感じではないでしょうか。しかし、債権者はAさん・連帯保証人のどちらに対しても請求できるため、Aさんを飛び越えていきなり連帯保証人へ請求がいく可能性もあるのです。
  2. たとえAさんに支払い能力があっても安心はできない
    前述の通り、債権者はAさん・連帯保証人のどちらにも請求できます。つまり、Aさんがお金を持っていたとしても、Aさんの連帯保証人であるあなたの元に請求が来たら、あなたが返済しなくてはなりません。
  3. 複数の連帯保証人がいても「人数割り」されない
    連帯保証人が数人いると、そのぶん責任が分散されるような気がしますが、これも間違い。連帯保証人一人ひとりが債務の全額を保証する責任を負います。つまり、連帯保証人が複数いるのに、ひとりだけに全額の請求がくることもありえるのです。

連帯保証人とは別に「保証人」という制度もあります。保証人には抗弁(相手の主張に対して反論すること)の権利があり、上記1.のケースでは、「まずAさんに返済請求してください」と主張できるのです。連帯保証人よりも責任が軽いのですね。連帯保証人の責任は重く、「借金した本人と全く同じ返済義務を負う」状態になります。最悪、返済不能で自己破産ということにもなりかねません。

意外と甘く見られがちな「身元保証人」

連帯保証人と似た名前で、身元保証人という制度もあります。就職の際、「会社から身元保証人を求められた」という人も多いでしょう。しかし、その役割は意外に知られていません。
身元保証人は、会社に何か損害を与えてしまったときに、損害を担保する義務を負います。損害とは、「スプリンクラーを誤作動させてしまい資材をすべて水浸しにしてしまった」「会社のお金を使い込んだ」などです。故意であるか否かを問わず、その範囲は幅広いのが特徴です。

身元保証人の限度
身元保証人の賠償責任期間は、法律で上限が決まっています。期間を特に決めていない場合は3年、決めたとしても上限は5年です。また、身元保証人がどの程度賠償責任を負うかについては、会社側の責任や従業員の過失などを考慮した上で判断されます。そのため、損害の100%が請求されることは少ないでしょう。
不当に重い責任が課されないよう法的規制はありますが、身元保証人になる以上は相応の責任が発生します。引き受けには慎重な姿勢が求められるのです。

保証人が見つからないときに便利な保証代行会社

保証人を頼まれるだけでなく、頼みたいというケースもあるでしょう。賃貸物件や入院時など、保証人が必要になる場面は意外にも多いのです。しかし、そのたびに保証人を探す手間がかかります。
最近では、保証代行サービスが増えています。「お金を払って保証人になってもらう」という制度です。例えば、賃貸契約では保証人ではなく「保証会社との契約が必須」、住宅ローンでは連帯保証人ではなく「金融機関指定の保証会社との契約が条件」とするケースが増えてきています。

保証代行会社とのトラブルに注意
保証人探しに苦慮する人にはうれしい傾向でしょう。しかし、家賃を滞納するような事態になると、保証会社から取り立てを受けることになりますから、注意が必要です。
保証人紹介ビジネスも登場しており、なかには悪徳な業者も存在します。「手数料を支払ったのに保証人を紹介されなかった」「自分で保証人を見つけられたのでキャンセルを申し出たら拒否された」といったトラブルも増加しているようです。保証会社を選ぶときは、信頼できる会社かどうか見極めたうえで利用したいですね。

連帯保証人や身元保証人の役割や定義についてよく知らなかった、という人は多いでしょう。もしものときは、一定もしくは全責任を引き受けることになります。責任を負えないと思うときは、頼まれてもきっぱりと「NO」の姿勢を示すことも必要です。また、保証会社を利用する際は保証料が発生するため、ふだんから、引っ越しや入院の際の保証料を準備しておくと安心でしょう。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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