バブル経済って一体何だったの?

マネープラン

20代、30代の人のなかには、バブル経済について「幼かったのであまり記憶がない」「生まれていなかった」という人もいるでしょう。今では信じられないような好景気で、日本全体が盛り上がっていたのです。しかしバブル経済は崩壊し、大損した人も多く存在しました。なぜバブル経済が起きたのでしょう?またそのとき、何が起こっていたのでしょう?

バブル経済って何?どうして起きたの?

バブル経済とは、1986年から1990年頃にかけて日本で起きた株価や地価など資産価格の急激な上昇と、それに伴う好景気のことをいいます。その急激な膨張ぶりとのちの崩壊が、泡がふくらんでしぼむ様子によく似ていることから、「バブル経済」とよばれるようになったのです。
資産価格の上昇自体は悪いことではありません。ただ、日本経済の真の実力をはるかに超えて上昇してしまったことが問題でした。特に、バブル経済ピーク直前の資産価格の伸びは、根拠のない熱狂のような異様なものでしたが、当時は誰もが「あたりまえ」「これが日本の実力」と信じて行動していました。

バブル経済の実際の例

バブル経済のころ、以下のような事象が見られました。

  • 高級住宅や高級車、高額のゴルフ会員権が飛ぶように売れる
  • テーマパークやリゾート地、スキー場、高級ディスコはいつも満員
  • クリスマスには、カップルは高級ホテルでデート、プレゼントは高額の宝飾品やブランド品が定番
  • 就職活動は超売り手市場で、学生は就職先に困らず引く手あまた、内定者に50万円もする英会話学習教材を支給する会社も
  • 企業は、海外の企業や資産をどんどん買収し、財テクに熱中。接待費や交際費も大盤振る舞い、近場でもタクシーを利用し、社内会議の弁当代は「下限」が1,500円
バブル経済が起きた歴史的背景
バブル経済の発端は、1985年にさかのぼります。
アメリカの呼びかけで同年9月22日、ニューヨークのプラザホテルで先進5か国(日米英独仏)財務相・中央銀行総裁会議(G5)が開催されました。そこで、ドル高是正(日本から見たら、円高ドル安誘導)を目指すことで各国が一致したのです。これが有名な「プラザ合意」です。アメリカには、ドル安によって自国の貿易赤字を改善させたいというねらいがありました。
しかし、プラザ合意後、政府や日銀の想定をはるかに超えるスピードで円高が進行し、日本は円高不況に直面します。このため、日銀は徹底した低金利政策をとりましたが、その結果、空前の「カネ余り」が起きました。余った資金が株式市場になだれ込み、資産価格の上昇がはじまり、日経平均株価は1989年12月29日に38,915円の史上最高値をつけました。

土地神話とバブル崩壊

日銀の低金利政策で生じた“余った”資金は、不動産市場にも向かい、地価高騰が起きました。いつのまにか「地価は必ず上がる、上がり続ける」という土地神話が生まれ、みなこぞって不動産を買うようになったのです。
バブルまっただ中のころは誰もが不動産に関心を持ったため、不動産ブームが起きました。1990年(平成2年)の宅地建物取引主任者(現:宅地建物取引士)資格試験は受験者が急増しています。
しかし、地上げや土地ころがし(土地の転売を繰り返して地価をつり上げること)が社会問題になるなど、不動産市場は本来の役割を果たさなくなり、地価上昇はしだいに投機(利益を上げることだけが目的の、ギャンブルにも似た短期的な売買)に近づいていきます。

そしてバブル崩壊へ
そして、バブル経済はついに終焉(しゅうえん)を迎えます。まず、1990年に入ると同時に株価が急激に下がり、少しして地価も下がりはじめました。日銀は1989年5月にすでに低金利政策をやめ、利上げに転じていましたが、政府も1990年3月から不動産向け融資を規制しました。こうした措置に加え急激に上がりすぎた反動もあり、その後、株価も地価も長い低迷期に入ります。これがバブル崩壊です。バブル崩壊の後遺症はとても大きく、また回復まで長くかかったことから、のちに「失われた20年」とよばれるようになりました。

バブルが再び起こることはある?

バブルの再来はあるのでしょうか?
バブルの厄介なところは、渦中にあるときは誰も「今はバブル」と気づかないところです。実際、1990年の年頭に金融機関が出した同年の日経平均株価高値予想は、ほとんどが50,000円を超えていました。
しかし、今はバブル経済当時とは環境が大きく異なります。また、企業のリスク管理の進展、監督官庁による金融機関への管理態勢も厳格化しています。さらに、バブル崩壊の学習効果も期待できることから、当時と同じ規模のバブルが再度起こることは考えにくいといえます。しかし、歴史は繰り返すのも事実です。大規模バブルまではいかないにせよ、ミニバブル、プチバブルが起こる可能性はあるでしょう。


「バブル経済は他人事」と割り切らずに、過去を知り、過去から学ぶことで、私たちの暮らしにふりかかるリスクを少しでも小さくできたらよいですね。

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ライター紹介

一色徹太
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
金融商品や保険を販売しない中立的な独立系のファイナンシャル・プランナーとして、個人のマネー・ライフプラン相談、講演・セミナー、執筆等に従事。東証(東京証券取引所)でJPXアカデミー講座の講師も務めている。
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