何にでも適用されるわけじゃない!「クーリング・オフ」について正しく知ろう

マネープラン

勢いで購入し、「もう少し考えてから買えばよかった」と後悔することはありませんか?そんなときに頭をよぎるのが、「クーリング・オフ」という言葉です。クーリング・オフが適用されれば、一定期間内なら契約の解除が可能です。しかし、どんな場合でも適用されるわけではなく、いくつかの決まりごとがあります。いざという時のために、クーリング・オフ制度について正しく理解しておきましょう。

そもそもクーリング・オフってどんな制度?

買い物とは、「この値段でこの商品を取引する」という売り主と買い主間の契約です。双方が安心して取引をするために、約束は守られなければなりません。もし一方的に契約を破棄した場合、手付け金などのペナルティを要求されても文句は言えないでしょう。
しかし、売主から提供される情報が不足したため相場より高額な物を購入してしまったり、複雑な商品内容を理解しないまま契約してしまったりという例もあります。そのため、一定の条件を満たした契約は「クーリング・オフ」によりペナルティなしで契約を解除できるのです。クーリング・オフは、弱い立場の消費者を守るための制度といえるでしょう。

クーリング・オフの方法は
クーリング・オフはペナルティなしに契約解除できる制度です。しかし、契約を破棄する以上、口頭で済ませるわけにはいきません。書面でその意思を伝える必要があります。また、いつでも解約可能となってしまうと売り主も落ち着きません。そのため「原則契約日から8日以内」という条件があります。

ネットや店舗での購入は基本的に対象外

インターネットのオンラインショップや店舗に出向いて購入した商品は、原則としてクーリング・オフの対象外となります。こうした買い物は、購入の可否を吟味する時間が十分にあり、購入を強く勧められるケースもまれです。それに、商品に問題があった場合でも、通常レシートとともに返品や交換が可能ですよね。クーリング・オフは、消費者が不利な契約に限って実施できる特別な制度なのです。

クーリング・オフのよくある例とは?

どんな時にクーリング・オフが利用できるのか、よくある事例を3つ紹介します。

  1. 訪問販売や路上のキャッチセールス
    これらの場合、購入を検討していなかったところから突然購入を勧められます。いわば不意打ちともいえるでしょう。「訪問でのセールストークにのせられて購入」「勧誘から逃れたい一心で購入」といった例が多く、クーリング・オフの対象になります。
  2. エステティックサービス
    期間が1か月を超え、金額が5万円を超える痩身(そうしん)・脱毛などのエステティックサービスは対象です。
  3. 学習塾やパソコン教室など
    期間が2か月を超え、金額が5万円を超える学習塾やパソコン教室、語学教室は対象です。

2と3については「効果が確実ではない」「店舗や教室など、密室で長時間にわたる勧誘が行われやすい」などの共通点があります。また体験・実践型の契約は、いくら事前に説明を受けても、実際にやってみないと内容が伝わりにくいという特性も影響しています。

こんなケースは?
では、以下のような事例は適用されるのでしょうか。
生命保険
原則として生命保険もクーリング・オフの対象です。しかし、保険期間が1年以内の場合や、契約にあたって医師の診察を受けた場合など適用されないケースもあります。また、近年では通販型の保険も多くなっています。一般の通信販売にはクーリング・オフ制度はありませんが、通販型の生命保険については商品内容の専門性や仕組みの複雑さから、各社でクーリング・オフに対応しています。
マルチ商法
クーリング・オフは原則8日間ですが、マルチ商法の場合20日間です(モニター商法や内職商法も同様)。マルチ商法の代表例は、購入者が購入後販売員となり、友人や知人に新たに販売して利益を出す手法。最近はより複雑な仕組みのものが多く、注意が必要です。
訪問購入
業者が自宅に訪問し、ブランド品や貴金属を買い取る訪問購入も対象です。

世の中には複雑で内容を把握するのが難しい商品が多くあります。訪問販売や教室入会など、セールストークにのせられその気になって契約…ということもあるでしょう。そんなときは、一定期間考え直す猶予があることを思い出してください。本当にお金を払う価値があるのか見極めたうえで、大事なお金を使いましょう。

  • 本ページの内容は掲載時点での情報です。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所