マイナス金利時代!住宅ローンは借り換えすべき?

マネープラン

長らく住宅ローンの低金利が続いています。2016年1月に日銀がマイナス金利を導入した後は、さらなる低金利化が進みました。既に住宅ローンを組んでいる人も、自分の借入金利より低い住宅ローンを見かけると、借り換えに興味がわくのではないでしょうか。しかし、借り換えの際は借り入れ時と同じような手続きが必要です。借り換えにかける手間ひまは、その価値に見合うものなのでしょうか。借り換え手続きと、注意点について解説します。

借り換えとは、新たな借り入れのこと

借り換えとは元の借り入れを、新たな金融機関からの借り入れでまかなうことです。A銀行からB銀行へ借り換えを行うというケースで考えてみましょう。なお、銀行からお金を借りる際には家に抵当権が付きます。抵当権とは「もしお金が返せなければ代わりに家をもらいます」という権利のことで、その権利者を抵当権者といいます。借入先がB銀行に変われば、抵当権者もB銀行に変わります。

借り換え手続きの流れ

手続きは、B銀行からの借り入れでA銀行の住宅ローンを完済させるもので、手順は以下の通りです。

  1. 新たな借り入れ先(B銀行)を検討
    借り換えとはいえ、B銀行側からみれば新たな貸出しとなるため審査が必要になります。所定の必要書類を提出し、審査を受けます。審査期間は金融機関ごとに異なりますが、2週間前後を目安に考えましょう。
  2. 現在の借り入れ先(A銀行)に一括返済を打診
    B銀行の審査が通ったら、A銀行へ一括返済の連絡をします。
  3. 借り換え手続き
    借り入れと返済、そして抵当権の変更は同時進行で手続きします。その際、A,B各行で手続きする必要はなく、基本的には新たな借り入れ先となるB銀行を通してすべてを行います。
    店舗に行かなければならない金融機関もありますが、ネット銀行やインターネットバンキングを利用すれば郵送で手続きが完了する場合もあります。

案件ごとに異なりますが、借り換えにかかる期間の目安は1カ月程度となります。必要書類を集めるのが少し大変かもしれませんが、基本的には、収入や物件についての証明書など借り入れ時と同じものを用意します。経験者ということで、初回よりスムーズに集められるのではないでしょうか。初回の借り入れ時になかった新たな必要書類としては、従前の返済実績となる「A銀行への返済履歴」です。通帳のコピーなどで構いません。

借り換えの注意点

実は、手続きより重要なことがあります。それは「借り換えの効果」と「実行の可否」を見極めることです。

借り換えの効果を知ろう

借り換えの際は、諸経費が発生します。B銀行へ支払う事務手数料や保証料などのほか、抵当権の変更費用、団体信用生命保険(以下:団信)の加入料、印紙税も発生します。登記にかかる費用はA銀行の抵当権抹消、B銀行の抵当権設定、そして司法書士への報酬などです。
団信は住宅ローン専用の保険であり、ローン名義人に万が一の事があった場合に保険金が支払われます。支払額は残りの住宅ローン額であり、そのまま住宅ローンの返済にあてられるという仕組みです。一部の住宅ローンでは団信の加入は任意ですが、できれば加入しておきたいですね。
これらの費用は金融機関ごとに異なりますが一般的に数十万単位になるため、借り換えによって発生する費用以上の削減効果があるかを事前に確認しておきましょう。また、固定金利から変動金利への借り換えは、金利上昇リスクを見込まなくてはなりません。金利が多少上がってもなおメリットがあるかどうか検討しましょう。

また、前述の通り、借り換えには審査があります。転職したため勤続年数が足りない、健康上の理由で団信に加入できない、などの理由で借り換えが難しいケースもあるのです。通常の団信に加入できない場合、引受条件が緩和される「ワイド団信」もありますが、条件が緩やかなぶん保険料が割高なので注意が必要です。支払総額をシミュレーションして借り換えすべきか結論を出しましょう。

どんな人が住宅ローンの借り換えをすべき?

一般的に、借り換えで効果が出るのは、

  • 金利差1%以上
  • 返済残高1,000万円以上
  • 返済期間残り10年以上

…とされています。金利は元本にかかりますので、残りの返済期間も返済額も小さい借り入れの場合、お得感が小さく、諸経費の方が高くつく可能性もあります。ただし、現在は超低金利時代です。変動金利から固定金利への借り換えならば、金利水準が同じだったとしても、今後は金利が上昇しないという効果を得られます。

返済額以外のメリットにも目を向けよう
現在変動金利で返済中だが「これから子どもの教育費がかかる」「定年前で給料が減った」という家庭では、金利差が1%未満でも固定金利に借り換えることで、安心して返済できます。10年固定型など、一定期間が過ぎると変動金利、もしくは金利が見直されるタイプのローンでも同じことがいえるでしょう。

住宅ローンの借り換えには返済額の圧縮だけでなく、低い金利の固定金利に乗り換えできるといったメリットもあります。借り換えは新たな借り入れであるため、収入要件や健康状態によっては審査が通らない可能性もあります。しかし今が借り換えの好機であることは間違いありません。興味があるならば、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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