アルバイトをする学生なら活用したい「勤労学生控除」って?

マネープラン

配偶者控除や扶養控除など、世帯主が扶養する家族の控除についてはよく耳にしますが、学生にも「控除」があることを知っていますか?所得税計算の際、「学生だが働いている」という事情が少しだけ考慮されます。それが勤労学生控除です。しかし、扶養控除との関係も知っておかなければいけません。メリットを享受するためにも注意点を知っておきましょう。

「勤労学生控除」で受けられる控除額

本来、働いたり物を売ったりして得たお金にはすべて所得税がかかります。
はじめに、基本となる「基礎控除」と「給与所得控除」について理解しましょう。
例えば年間130万円の給与収入がある方が受けられる所得控除の上限は

基礎控除 38万円 + 給与所得控除 65万円 = 103万円

となります。
しかし、「親を養っている」「配偶者に先立たれてひとりで子育てをしなければならない」「災害の被害を受けた」…などの様々な事情を考慮して「少しだけ課税所得を減らします」というのが所得控除です。全部で14種類ある所得控除のうち、勤労学生控除では、前述の103万円に加えて27万円の所得控除を受けることができます。つまり、先ほどの例では130万円全額が控除されることになります。

「勤労学生控除」の条件

税金がかからないという優遇を受けるので、条件がしっかり定められています。勤労学生控除の適用条件は次の通りです。

  1. 勤労による所得であること
    家賃収入や株の売買など、いわゆる不労所得とよばれる収入は控除の対象になりません。もちろん、ギャンブルも対象外です。一方で働いた対価であれば、給与だけでなく、原稿料や講演料なども「勤労による所得」とされます。
  2. 給与収入が130万円以下であること
    正確には「130万円の給与収入から、基本の給与所得控除である65万円を差し引いた、課税対象となる合計所得が65万円以下であること」が条件となります。さらに、「勤労による所得」以外の所得は10万円以下でなければなりません。
  3. 以下いずれかの学校の生徒であること
    • 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
    • 国や地方公共団体、学校法人等による専修学校、又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
    • 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの

    もし、通っている学校があてはまるか分からない場合は、直接学校の窓口で確認してみましょう。

控除を受けるための手続き方法は?

控除を受けるための手続きは確定申告で行い、1月1日から12月31日までの1年間の所得で判断されます。
確定申告は1年分をまとめて、翌年の3月に行いますが、アルバイト先で年末調整を行ってくれる場合は、自身で確定申告をする必要はありません。年末調整とは、従業員の所得税や住民税の納付を雇用主が行う制度で、その年の12月に行います。勤労学生控除を受けるための必要書類をアルバイト先に提出しましょう。

最大限、控除のメリットを享受するために注意したいこと

前述の通り、勤労学生控除を適用すると、1年間の収入が130万円以下なら所得税がかかりません。ただし、委託や請負契約で働いているなど給与ではない所得を得ている場合、65万円の給与所得控除は受けられないので注意が必要です。給与所得か否かで控除額が変わることを知っておきましょう。

なお、親の扶養に入っている場合は、親の納税金額が変わる可能性があるので、こちらも注意しましょう。扶養する子の給与収入が103万円以上になると、親は扶養控除を受けられなくなります。一般的に税率は所得額が大きくなるほど高くなります。そのため、家族内に所得の高い人と低い人がいる場合は、より所得の高い人に控除を集めることで、世帯での納税額を少なくできる可能性が高くなります。


学費の足しに、またはおこづかいのためにアルバイトをしている、という学生は多いでしょう。本来働いて得たお金には所得税がかかるものですが、学業とアルバイトを両立させる学生の負担を軽減するために勤労学生控除があります。せっかくの税制優遇ですので、しっかり活用したいですね。

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ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所
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