「コト消費」って何? 私たち消費者はどんな「コト」を得ているの?

マネープラン

今、日本だけでなく海外でも、消費が「モノ」から「コト」へと変わりつつあります。しかし、消費スタイルがどのように変化してきているのか、「コト消費」とは一体何なのか、ピンとこない人もいるでしょう。「コト消費」とは何か、また私たちに何をもたらしてくれるのか、解説します。

「モノ消費」から「コト消費」へ―そもそも「コト」って何?

「モノ消費」とは、その名が示す通り、「モノ」=「物品」を買うこと。対して「コト消費」は、旅行や食事、習い事などを含む、豊かな体験や経験を得られる「コト」=「機会」にお金を使うことです。
ひと昔前までは、車やブランド品を買うなど、「モノ」を持つことをステータスとする傾向がありました。しかし近年は、「以前ほどモノが売れなくなり、消費に消極的な若者が増えている」といった話題が経済ニュースなどで頻繁に取り上げられています。
日本人の消費傾向は、実際どのように「モノ」から「コト」へと変わりつつあるのでしょうか?株式会社ジェイアール東日本企画が2015年に行った、「普段の生活に関する定性調査及び定量調査」(注1)の結果から見てみましょう。

  • 「あてはまる」または「ややあてはまる」の回答率
  • 習い事・資格取得・留学など学びにお金を費やすのは有益だと思う=72.6%
  • 欲しいモノはあるが今すぐに買いたいとまでは思わない=69.3%
  • 欲しいモノがパッと思い浮かばない・即答できない=50.1%
  • 宝くじで100万円当たった場合に最も優先順位の高い使い道は?
    • 行きたい場所に出かける(旅行など)=24%
    • 欲しいものを買う(洋服、家電など)=16%
    • 学びたいことを学ぶ(習い事、資格取得など)=7%
    • 美味しい・食べたいものを食べる=6%
    • 体のメンテナンスをする(マッサージ、ジムなど)=3%

宝くじの使い道では「コト」に関連する内容が、全体の約4割を占めています。これらの結果から、「コト」に対するニーズが高く、「モノ」への執着はそれほど強くないことが分かりますね。
また、「モノ消費」「コト消費」それぞれの代表例である「家電」と「旅行業・サービス業」について市場規模の推移を見てみましょう。

  伸び率(123業界中の順位) 利益率(123業界中の順位)
家電業界 +3.9%(92位) +1.3%(108位)
旅行業界 +6.9%(42位) +6.5%(28位)
サービス業界 +12.3%(8位) +4.0%(52位)

「業界動向サーチ」(注2)

製造業よりも旅行業・サービス業の成長が大きいことが分かります。このことからも、実際に消費者が「モノ」よりも「コト」にお金をかけていると言えるでしょう。

「モノ消費」と「コト消費」の融合事例を見てみよう

消費者のニーズの変化に合わせ、「コト消費」に焦点を当てたサービスも続々と登場しています。事例をいくつか見てみましょう。

体験型の施設から買い物へ誘導するショッピングモール
アスレチック施設が併設されている「大型ショッピングモール」があります。その「大型ショッピングモール」を訪れる客の9割は、ショッピングではなくアスレチックの体験が目的とのこと。
アスレチック施設という体験型商品が組み合わさったことで、ショッピングモールへの誘導につなげています。
体験型のギフトも登場
お祝い事やお礼の贈り物といえば、商品やカタログギフトがこれまで選ばれてきた「モノ消費」でしたが、「コト消費」を意識した体験型のギフトも増えているのです。
たとえば体験型ギフトを販売する「Sow Experience」では、スパやエステ、パラグライダーなどのアクティビティ、楽器やマネーレッスンといった習い事、ファッションコーディネートやオーダーメイドのスーツまで、様々な体験型のギフトを贈ることができます。

「コト消費」で私たち消費者が得られることは?

前述のとおり、長年多くの人がモノ消費に価値を置き、物質的な豊かさを重んじてきました。しかし、市場が成熟し、必要な「モノ」を手に入れた今、私たちがさらなる満足感や幸福感を求めて「コト消費」へ向かうのは自然の流れと言えるのではないでしょうか。
「コト」にお金や時間を使うことで得られるのは、体験や経験です。例えば、家族や友人と旅行に行けば、感動や楽しさ、思い出などを共有できます。もし、陶芸教室に通ったのであれば、作品のデザインを決めるところからつくるまでのプロセスを楽しめるでしょう。
また、「コト消費」が自分への投資となり、自己の成長につながる場合も多くあります。ジムに通えば体が鍛えられ、健康を維持できるだけでなく、目標を達成する喜びや自信を実感できるはずです。英会話のレッスンや、資格を取るための勉強を始めれば、スキルが身につき、将来のキャリア構築にもつながるでしょう。


一度、自分が何にお金を使っているか、振り返ってみてはいかがでしょうか。もし「モノ消費」が中心になっているのであれば、心の豊かさや、自分への投資のため、「コト消費」にも意識を向けてみるとよいかもしれません。

出典:
  • (注1)ジェイアール東日本企画|コトの時代の生活者にモノが愛されるためのキーワード
  • (注2)業界動向サーチ|業界ランキング
  • 本ページの内容は2017年7月19日時点での情報です。
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