お金を寄付することについて考えてみよう!

マネープラン

欧米に比べて、日本には寄付の文化が根づいていないといわれています。最近では、そんな状況を改善するために、高校生が効果的な寄付のあり方を学ぶといった取り組みも行われています。今回は、日米における寄付に対する意識の違いや、寄付をするときの判断基準などをご紹介します。

日米の寄付に対する意識の違い

内閣府の統計データ(注1)によると、2007年の日本の寄付総額は5,910億円で、アメリカの36兆2,258億円(2008年)、イギリスの1兆812億円(2007年)に比べ、低い水準となっています。寄付総額の内訳を個人寄付と法人寄付の別で見てみると、個人寄付の割合は、アメリカの81.9%、イギリスの94.2%に対し日本は19.1%しかありません。日本と欧米諸国では寄付との向き合い方が大きく異なるようです。
数字だけを見ると日本人は寄付をしない国民性のようにも思えますが、本当はどうなのでしょうか。同じく内閣府の「平成28年度市民の社会貢献に関する実態調査報告書」(注2)によると、直近1年間で寄付経験がある人は全体の41.2%となっています。寄付をした分野では「災害救助支援(53.7%)」が圧倒的に多く、次いで「保健・医療・福祉(29.3%)」「子ども・青少年育成(21.5%)」となっています。地震や台風などの自然災害が多い日本ならではの傾向といえるかもしれません。

その一方で、寄付の妨げになる要因として以下のような回答がされています。

  • 経済的な余裕がない(50.0%)
  • 寄付先の団体に対して不信感がある(31.3%)
  • 寄付が実際に役立っていると思えない(28.2%)
  • 寄付をしたいが十分な情報がない(16.2%)
  • 寄付の手続きがわかりにくい(11.9%)

経済的な余裕のなさが最大の要因となっていますが、寄付をしたいという気持ちがあるのに、さまざまな理由から実際にアクションを起こすところまで至っていないケースもあるようです。

海外に目を向けてみると、アメリカには寄付の文化が根づいています。しかも、一時的な寄付ではなく、長期的な「計画寄付」が行われているのです。計画寄付には、寄付額の50%までを年金として受け取れる寄付年金、遺贈など多彩な寄付プログラムが用意されており、任意で選択することができます。
日本では、寄付は災害のようなときに行なう特別なものだという認識が強いようです。また、寄付先がどのような団体なのかが見えにくいことも相まって、寄付が身近なものになっていないと考えられます。寄付そのものや、寄付先の団体についてもっとよく知る機会があるといいのかもしれません。

日本で初めて実施された寄付教育プログラム

日本でも寄付を普及させる取り組みがはじまっています。その中から、2016年に東京学芸大学付属国際中等教育学校で行われた、日本初の寄付教育プログラムをご紹介します。
プログラムの内容は「30万円をどの団体に寄付するのか考える」というもので、同校に通う6年生(高校3年生)12人が取り組みました。
寄付先の団体は「子ども」「医療」「動物」のカテゴリから3団体ずつ、合計9団体がリストアップされており、そのなかからひとつを選ぶことになります。学生たちは各団体を評価するために、アンケートを実施したり団体の施設を見学したりしました。しかし、規模や活動理念の異なる団体をどのように評価すべきか苦心したようです。

大切なのは自分たちの気持ち
最終的に、学生たちは団体を画一的に評価するのではなく、「理念や活動に共感できること」を重視して寄付先を決めました。寄付を募っているさまざまな団体の活動には、すべての人が納得できるような判断基準があるわけではありません。最終的には、自分たちの気持ちのなかに答えを見つけたということですね。

寄付の本質を知ろう!

なかには、寄付という行為について否定的な人がいるかもしれません。非合理的で不経済だという考え方もあるようです。「寄付白書2015」(注3)によると、実際に寄付を行った人の動機としては「団体への共感」「社会貢献意識」「自己表現・自身のため」といった理由が上位に挙げられていました。被災地に行ってボランティア活動をしたいと思ったり、私たちを取りまくさまざまな社会問題に対して何かしらの取り組みをしたいと思ったりしても、アクションに移すには時間的・経済的にハードルが高いことも多いです。そんなとき、世の中をより良いものにするための一番身近な方法が寄付なのかもしれません。
また、寄付の動機にあった「自己表現・自身のため」というのは、寄付をすることで満足感や幸福感が得られるということでもあります。社会とのつながりを深め、団体や活動を応援することで自分自身も元気になれる寄付。日本でももっと身近なものになるといいですね。


街頭での募金活動やコンビニなどに設置されている募金箱はよく見かけますが、最近では、クレジットカードやポイントカードでたまったポイントを寄付するという方法もあります。社会との関わり方を考えるきっかけのひとつとして、自分にできる無理のない範囲で、寄付をしてみてはいかがでしょうか。

出典:
  • (注1)内閣府NPOホームページ|寄付金の国際比較
  • (注2)内閣府NPOホームページ|平成28年度市民の社会貢献に関する実態調査報告書
  • (注3)日本ファンドレイジング協会|寄付白書(2015)
  • 本ページの内容は2017年10月13日時点での情報です。
  • 掲載された情報をもとに、お客様がなされた行為によって生じたトラブル・損害について、当社は一切責任を負いかねます。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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