学生を助けるはずの奨学金が、将来の借金と言われるのはなぜ?

マネープラン

家庭の経済的な事情などで、学費の捻出が困難な学生を助ける奨学金。しかし、最近では「将来の借金」と言われることも多く、返済に関する問題が取り沙汰されています。今回は、奨学金の基礎知識や返済の問題について見ていきましょう。

奨学金にはどんな種類があるの?

給付型と貸与型
奨学金にはさまざまな種類があり、大きく「給付型」と「貸与型」に分類されます。給付型は返済の必要がありませんが、貸与型は卒業後に返済する義務が生じます。奨学金をもらう(給付)のと借りる(貸与)のとでは、将来の経済的負担が大きく変わります。奨学金の利用を検討する際は、どちらのタイプなのかまず確認しなければなりません。
代表的な奨学金制度は日本学生支援機構
日本学生支援機構(JASSO)は、給付型と貸与型の奨学金を提供しています。貸与型には無利息の「第一種奨学金」と、利息がつく「第二種奨学金」があり、両者の同時利用も可能です。また、入学した月に一時金として借りられる「入学時特別増額貸与」や、海外留学のための奨学金も用意されています。
ほかにもある奨学金の選択肢
  • 新聞奨学金
    新聞社の奨学金制度で、学費の全額または一部を新聞社が肩代わりしてくれる代わりに、奨学生は系列の販売店で新聞配達などの仕事をすることになります。住み込みで働ける販売店の場合は、住居費を抑えられるというメリットも。ただし、毎朝の配達は午前3時ごろから始まるので、かなりきつい仕事です。学業と並行して日々の仕事をやり遂げる覚悟が必要でしょう。
  • 大学独自の奨学金
    給付型・貸与型の両方があり、主に私立大学で提供されています。日本学生支援機構に比べると競争率は高いですが、給付型の奨学金も充実しています。
  • 地方自治体や民間の奨学金
    自治体が提供している奨学金制度の多くは貸与型です。また、「ジェイティ奨学財団」や「三菱UFJ信託奨学財団」のような、民間の給付型奨学金制度もあります。

奨学金と教育ローンの違い

奨学金は、経済的理由などで進学が難しい人に給付・貸与されるものです。一方、教育ローンは、使いみちが教育関連に特化した貸付金のことを指します。教育ローンには公的機関のものと民間のものがありますが、ここでは国の教育ローンである「日本政策金融公庫(JFC)」を例に見てみましょう。

奨学金と教育ローンの主な違いは、次のとおりです。

  奨学金
(日本学生支援機構)(注1)
教育ローン
(日本政策金融公庫)(注2)
借りる人
(返済する人)
学生本人 学生の保護者
借り方 毎月定額振込み 一括振込み
返済の開始時期 卒業後 借りた翌月
利息 在学期間中はなし 借りた翌日から発生
利率
(年利)
利率固定方式0.23%
利率見直し方式0.01%
(2017年度11月貸与終了者)
1.76%
(2017年11月時点)

※奨学金の「利率見直し方式」では、約5年ごとに利率が見直されます。

多くの家庭では、奨学金と教育ローンのどちらか一方を選ぶのではなく、両方を上手に組み合わせて利用しています。例えば、奨学金の支給が始まるのは入学以降となるため、それ以前に必要となる入学金などの出費は教育ローンで補うといった使い方です。
また、利率は奨学金のほうが低くなります。そのため、奨学金を多めに借りて教育ローンの借り入れは最低限に抑えるといった工夫をするといいでしょう。

奨学金の返済における課題も

昨今、多くのメディアで取り上げられているのが、奨学金が借金となって返済に苦しむという問題です。返済額が増える前に、中退して働いたほうがいいのではないかと悩む学生や、返済があるためにブラックな職場を辞められずにいる社会人など、さまざまなケースがあります。
また、日本学生支援機構では、災害や傷病、経済困難、失業といった返済が難しい状況になったときのために、「減額返還制度」と「返還期限猶予制度」を用意しています。
減額返還制度では、毎月の返済額が2分の1、または3分の1になり、そのぶん返済期間が延長されます。そして、返還期限猶予制度では、返済を一定期間ストップして先送りすることができます。どちらも返済金額が減るわけではありませんが、返済の助けとなるでしょう。


大学や専門学校に進学して、より多くの学びを得るのは素晴らしいことです。勉強したい学生やその保護者をサポートする方法がもっと生まれるといいですね。

出典:
  • (注1)日本学生支援機構
  • (注2)日本政策金融公庫
  • 本ページの内容は2018年2月6日時点での情報です。
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