税金滞納問題を解決する国税徴収官のお仕事

マネープラン

国の税金に関する業務を担う国税庁に所属する国税専門官のなかでも、国税徴収官は税金滞納の問題を解決するために活躍しています。しかし、その詳細をご存じの方は少ないかもしれません。今回は、国税徴収官の仕事について、捜査の方法や公売の流れとともにお伝えします。

どれくらいの税金滞納があるの?

会社員の場合、給与からの天引きという形で所得税や住民税を納めています。それ以外にも固定資産税や自動車税のように時期がくると送付されてくる納付書で納める税金や、相続税のように条件によって発生する税金もありますね。
日々の生活のなかで自動的に支払うタイプの税金であれば確実に納付できますが、申告して納付するタイプの税金は、自らアクションを起こさないと未納になってしまいます。

税金滞納の額や発生割合は減少傾向にある
税金を期限までに納付せず、督促状が送付されると「滞納」になります。国税の滞納金額や発生割合はどの程度あるのでしょうか。国税庁の「平成28年度租税滞納状況(注1)」によると、2016年度末の滞納残高は8,971億円、発生割合は1.1%でした。
同資料によると、滞納残高は1998年度がピークで、その後1999年度から18年連続で減少しています。新たに発生する滞納額や発生割合も減少傾向にあり、国税庁はその理由を「滞納の未然防止及び整理促進に努めた結果」としています。滞納者への対応を厳しくすることで、成果をあげているようです。

税金滞納で活躍する国税徴収官とは?

国税庁の職員である国税専門官は、税金に関する調査や指導を行う専門家です。国税専門官は、「国税調査官」「国税徴収官」「国税査察官」に分類され、以下のようにそれぞれ役割が異なります。

国税調査官
納税の義務がある個人や会社などを訪問して、申告内容の調査・検査をします。また、申告指導によって適切な申告を促します。
国税徴収官
期限までに納付されなかった税金の督促や滞納処分をするとともに、個々の事情に応じた納税指導も行います。
国税査察官
俗にいう「マルサ」です。裁判官の許可を得て捜索・差し押さえなどの強制調査を行い、悪質な脱税者を裁判所に告発します。

各専門官は、すべて納税に関する業務に携わっています。能動的に税金を納める人とそうでない人、さらには納税を逃れようとする人など、相手の姿勢や態度に応じて役割を分担しているのです。
私たちが通常の納税で接する機会があるのは、申告指導を行う国税調査官でしょう。また、国税査察官(俗にいうマルサ)はテレビドラマや映画で目にすることがあるので、イメージしやすいかもしれませんね。

国税徴収官の権限や強み
私たちの生活に一番なじみがないと思われる国税徴収官の役割は、滞納の解決です。その権限は非常に大きく、裁判所の令状がなくても滞納者の財産を強制的に捜索し、差し押さえることができるのです。
しかし、強制的に徴収だけを行うわけではありません。相手の状況によって、納税するための相談にのったり、納税計画を練ったりと、硬軟織り交ぜて対処しています。

差し押さえの後はどうなる?捜査の方法と公売について

督促によって滞納者が納税に応じてくればいいのですが、そうならない場合は強制捜査になります。強制捜査で差し押さえるのは金銭的な価値があるもの、つまり現金や車、貴金属、不動産などです。しかし、現物を差し押さえた場合は、それを現金化しないと納税できません。そこで現金化の手段として、公売が行われます。

気軽に参加可能なインターネット公売
公売では、差し押さえた財産が入札によって売却されます。入札は購入希望者がそれぞれ値をつけ、そのなかで一番高い値段を示した人が購入の権利を得るというもので、基本的に誰でも参加できます。
現在はインターネットで公売が行われており、手軽に入札ができます。相場よりも安い価格で落札できる可能性が高いようです。
公売で注意すべき点とは
公売に参加する場合は、その仕組みをよく理解しておきましょう。 例えば、公売に参加するには、公売財産ごとに決められた保証金が必要な場合があります。公売保証金は落札時の買取代金に充当可能で、落札できなかったときには返金されます。また、参加にあたっては申込期間があるので、興味がある人は国税庁のホームページの公売情報をこまめにチェックしましょう。
注意しなくてはいけないのが、国は公売財産の引渡し義務を負わない点です。公売で落札した土地家屋に誰かが住んでいるケースでは、落札者自身が明け渡しの申し立てをしなければなりません。近年、トラブルは減少傾向のようですが、万が一の場合は専門家に相談することになるでしょう。このようなリスクを考慮したうえで公売を利用してください。

税金は公共事業や行政サービスなど、私たちが快適に暮らすための大事な財源となるので、納税の義務はきちんと果たされなければなりません。また、滞納者がいては公平であるべき納税制度がゆがんでしまいます。そのような問題を解決するために、国税徴収官は滞納者と対峙しているのですね。

出典:
  • (注1) 国税庁|平成28年度租税滞納状況について
  • 本ページの内容は2018年2月6日時点での情報です。
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