最近よく聞くシェアハウス投資って?どうして話題になっているの?

マネープラン

シェアハウス投資は、初期投資が抑えられ、家賃収入も安定性が高いといわれています。不動産業界でも有効な投資手法として注目されていますが、その一方でトラブルも生じているようです。今回はシェアハウス投資の仕組みや、メリット・デメリットについて解説します。

シェアハウス投資とは?

同じ賃貸物件内で、複数の入居者が一定のスペースを共有しながら暮らすスタイルをシェアハウスといいます。シェアするのはダイニングやバス・トイレなど一定の空間で、住人ごとに個室があるのが一般的です。シェアハウス投資とは、こうしたシェアハウスを購入して運営することを指します。

シェアハウスにはどんな人が入居しているの?
国土交通省の調査(注1)によると、シェアハウスの入居者の年齢構成は、20代の若者が約6割を占めています。最近では、30代の割合も増加傾向にあり、利用者の平均年齢は28.9歳となっています。
以前は、外国人が利用するイメージの強かったシェアハウスですが、シェアハウス運営事業者が今後の入居者ターゲットとして最も重要視しているのは「社会人」(76.2%)となっており、「外国人」の58.7%を上回っています。
シェアハウス物件サイトを運営する、ひつじインキュベーション・スクエアの調査によると、シェアハウスの累計供給物件数は2013年3月末時点で約1,400物件、1万9,000戸となっており、近年は年率30%程度で供給数が増加しているそうです。入居者の年齢層の拡大や物件数の増加に伴って、投資の対象としても注目を集めるようになっているのですね。
シェアハウスはどのように運営されているの?
シェアハウスの運営は、主に(1)一括借上げのサブリース方式と(2)業務受託方式があります。(1)のサブリース方式の場合、シェアハウスの稼働率に関わらず、運営会社が固定の賃料で借り上げます。オーナーは、空き室が出てしまったとしても毎月一定の賃料収入を受け取ることができるのが利点です。
(2)の業務委託方式の場合は、入居者の賃料収入から一定割合を運営会社へ委託費として支払い、残りがオーナーの収入となります。満室時にはオーナーの家賃収入も大きくなりますが、空き室が出るとその分収入も減ります。
現在は、空き室リスクを負わないサブリース方式によって運営されているシェアハウスが多いです。しかし、サブリース方式では注意すべき点もありますので、詳細は後述します。

シェアハウス投資のメリット・デメリット

一般的なアパート経営とシェアハウスの運営はどのような点が異なるのでしょうか。メリットとデメリットを比較してみましょう。

シェアハウス運営のメリット
シェアハウスの運営には、以下のようなメリットがあると考えられます。
収益の安定性
シェアハウスはひとつの物件に複数の入居者が見込めるため、空室になりにくいとされています。誰かが退居したとしても、ほかの入居者がいれば家賃収入が完全に途切れることはありません。
既存の物件を活用しやすい
一戸建ての空き家を所有している場合、通常のアパート経営をするには取り壊して建て直さなければなりません。しかし、シェアハウスは共用部分があるため、空き家をそのまま活用しやすいといえるでしょう。間取りに注意すれば既存のアパートの一室をシェアハウスに活用することもできるので、シェアハウス運営は初期投資が抑えられる傾向があります。
付加価値をつけやすい
シェアハウスのなかには、「アトリエあり」「ペット可」「女性専用」など特定のコンセプトを設けているところが多くあります。あえてターゲットを絞ることで入居者同士が親近感を抱きやすくなるほか、コンセプトに賛同する人にとってはより魅力的な物件になります。
シェアハウス運営のデメリット
メリットの多いシェアハウスですが、そればかりではありません。以下のようなデメリットもあります。
普及地域の偏り
アパートやマンションは人口分布による需要の差こそありますが、日本全国で普及しています。しかし、シェアハウスはその多くが首都圏にあり、地方にはあまりないのが現状です。現時点では、認知度や需要の面からみると、地方でシェアハウスの入居者を募るのはハードルが高いかもしれません。
入居者同士のトラブル
シェアハウスには共有部分があるため、入居者全員が快適に過ごせるようにルールを守って生活することが求められます。しかし、生活空間を共有する以上、入居者同士のトラブルはどうしてもつきまとう問題です。入居者間の距離が近いと、日常生活で生じる小さな問題が積み重なってしまうこともあるでしょう。
設備費の負担
シェアハウスでは、共用部分の家具や設備はもちろん、洗濯機や掃除機など共用の家電も運営側で用意するのが一般的です。オーナーにとっては、それらのメンテナンスや買い替えのための費用が負担となります。
アパート経営にもリスクはある
シェアハウス投資のメリット・デメリットを見てみましたが、アパート経営の場合はどうなのでしょうか。最近では、節税対策としてアパート・マンション経営に手を出した結果、大きな不利益を被る人も増えています。
所有する土地にアパートを建てると、相続時に土地の評価額を下げることができます。しかし建設費用の借入金が多すぎると返済金の負担が重くなり、預貯金を大きく減らしたり自己破産に陥ってしまったりするのです。
経営も投資もリスクがつきものなので、100%安全なものはありません。さまざまな角度から比較することが大切ですね。

シェアハウス投資のリスクとは?

シェアハウス投資はアパート経営と比較すると物件数が少ないため、情報が不足している点も不安材料かもしれません。どのようなリスクがあるのかは、あらかじめ知っておかなくてはいけませんね。

サブリース会社とのトラブルも
前述したように、シェアハウスは物件の所有者自身による直接運営は少なく、サブリース方式が多くなっています。空室の場合もサブリース会社が一定の賃料を保証してくれるのなら安心だと思ってしまいがちですが、家賃保証をしてくれるはずのサブリース会社が経営破たんし、賃料が受け取れないというトラブルも発生しています。借入金でシェアハウスを購入して投資している人にとって、想定していた家賃収入が止まってしまうと深刻な事態になりかねません。
サブリース会社とのトラブルを防ぐには
サブリース会社を選ぶときは、複数の会社を比較検討することが大切です。その際は、利回りではなく企業としての堅実性を重視しましょう。ただし、サブリースにおける家賃保証は、サブリース会社の経営が安定していたとしても、万全なものではありません。多くの「家賃保証」には条件や制約があり、状況によって保証される金額・割合が少なくなることがあるからです。契約書の保証内容は、しっかりと確認してください。

話題のシェアハウス投資には多くのメリットがある一方で、注意点やデメリットもあります。事前にそのリスクを十分に把握するようにしましょう。

出典:
  • (注1) 国土交通省|シェアハウス等における契約実態等に関する調査報告書
  • 本ページの内容は2018年4月17日時点での情報です。
  • 掲載された情報をもとに、お客様がなされた行為によって生じたトラブル・損害について、当社は一切責任を負いかねます。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
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