もしかしてあなたも債務超過?現代人が抱える「睡眠負債」とは

マネープラン

最近、話題になっている「睡眠負債」をご存じですか?睡眠負債を抱えると、健康が損なわれるだけでなく、メンタルや仕事にも悪影響があるとされています。今回は、睡眠負債を回避するにはどんなことに気をつければいいのか、睡眠を助けるアイテムとともにご紹介します。

睡眠負債とは?どんなことが起こるの?

睡眠不足が続くことで、心と身体に悪影響が生じることを「睡眠負債」といいます。睡眠時間の不足は気持ちや健康に対する借金であるというのが、睡眠負債の考え方です。睡眠負債をそのまま放置すると、身体への借金(負担)が返済不能になり、積み重なると健康を損なうこともあるとされています。

睡眠負債による悪影響

睡眠負債によって、どのようなことが誘発されるのでしょうか。

  • 集中力や記憶力の低下・ミスの増加
  • 疲労感・居眠り
  • 肌荒れ・くすみ
  • 高血糖・高血圧のほか肥満になりやすい
  • 精神的に不安定になったり、イライラしたりする

このように、本人の心身だけでなく業務効率や人間関係にも影響を与えてしまうのですね。

みんなの睡眠時間はどれくらい?
日本は世界の中でも睡眠時間が短い国です。OECD(経済協力開発機構)が2014年に行った調査によると、日本人の1日の平均睡眠時間は7時間43分で、29か国中、韓国に次いで2番目に短い国という結果でした。
また、NHKの世論調査「日本人の生活時間・2015」(注1)によると、日本人の平均睡眠時間は平日で7時間15分となっています。ただしこれは全世代の平均であり、働き盛りである30~50代の平均睡眠時間(平日)は、概ね7時間以下となっているのです。
必要な睡眠時間はその人の仕事や生活習慣によって異なりますが、目安として7~8時間を確保できるのが望ましいとされています。日本人の中でも、特に働き盛りの世代は、睡眠不足が続いて睡眠負債を抱えているということになりますね。

睡眠不足がもたらす経済損失

運転業務や工事現場、工場の製造ラインといった安全への配慮が必要な職場では、睡眠不足が重大な事故につながる可能性があります。米国のシンクタンク「ランド研究所」は、2016年の調査報告(注2)にて、産業事故や生産性の低下など、睡眠不足による経済損失額を発表しています。

国内総生産(GDP)比で見る年間の経済損失額
  1. 日本 1,380億ドル(GDPの2.92%)
  2. アメリカ 4,110億ドル(GDPの2.28%)
  3. イギリス 500億ドル(GDPの1.86%)
  4. ドイツ 600億ドル(GDPの1.56%)
  5. カナダ 214億ドル(GDPの1.35%)

調査結果によると日本の経済損失額は1,380億ドル。GDPの割合でいうと先進国でもワースト1です。日本人の睡眠不足は、個人の健康やパフォーマンスに限った問題ではなく、日本経済にとっても大きな損失といえますね。

睡眠不足が解消できるとこんなメリットが

睡眠不足や睡眠負債の状態を解消することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 健康面
    ふだんから健康を保つことができる
  • 精神面
    気持ちに余裕ができ、人間関係が良好になる
  • 仕事面
    集中して物事に取り組むことができ、スキルやキャリアに対して前向きな気持ちを持てる

心身の健康を維持することができれば、日常的に使っている薬やサプリメントを減らしたり、医療費もかからなくなったりするでしょう。また、気持ちに余裕を持てることで、ストレスからくる散財や食べ過ぎを防ぐことができるかもしれません。結果的に、家計へのゆとりをもたらす可能性が高いでしょう。さらに健康や精神が整えば、仕事に対して前向きな気持ちを持てるようになり生産性もアップするでしょう。その結果、業務の効率化や収入の増加、余暇を楽しむ時間の余裕につながります。睡眠不足による心身の不調が解消することで、良いスパイラルを生み出すことができれば、最終的には経済全体への好影響にもつながるのではないでしょうか。
睡眠時間は人生の1/3近くを占めます。睡眠を充実させることによってさまざまなメリットが期待できるので、自分の睡眠時間に問題があると感じている方は、ぜひ一度改善を考えてみましょう。

上質な睡眠につながるヒントやアイテムを知ろう

睡眠は量だけでなく、質にも目を向けることが大切です。

睡眠の質の向上を目指そう
睡眠時間を増やせない、睡眠時間を確保しているのに足りないと感じる場合は、睡眠の質を向上させる工夫や生活習慣の改善をしてみましょう。
人が深く眠っているときは深部体温が下がります。そのため、電気毛布を使いながら眠ったり、暖房で室温が高くなりすぎたりすると、眠りが浅くなってしまいます。また、寝る前にぬるめの入浴や足湯などで軽く温まると、眠りにつくまでの時間が短く、睡眠が深くなりやすいといわれています。ただし、温まりすぎると深部体温が上がってしまい、逆効果となるようです。
人間の体は、朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、活動状態になります。その後、14~16時間ほど経つと睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され、眠気を感じるようになります。しかし、スマートフォンやパソコン画面から発せられるブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、脳を覚醒させてしまいます。寝る前にこのような電子機器を使うのは避けたほうがいいでしょう。部屋の照明も、夜は暗めにするのがおすすめです。
アイテムの助けを借りよう
就寝時間ギリギリまで仕事や家事に追われ、ベッドに入っても気持ちが高ぶっていることがあるかもしれません。活動時間と睡眠時間をうまく切り替える方法として、パジャマに着替えるというものがあります。ジャージやスウェットなどの部屋着のまま寝てしまう人もいるかもしれませんが、実は好ましくありません。心身を睡眠モードに切り替えるためにも、着心地がよく、睡眠時の汗をしっかり吸ってくれる吸水性に優れたパジャマを試してみてはいかがでしょうか。
また、上質な睡眠ができるように、寝心地のいい枕やマットレスを取り入れるという方法もあります。アプリと連携することで、睡眠の質や心拍を記録してくれるスマートウォッチもあります。より手軽なアイテムとしては、安眠効果のあるカモミールを配合したハーブティや、リラックス効果のあるラベンダーのアロマなどもオススメです。

睡眠不足が続いて睡眠負債になると、心身に悪影響をもたらします。たかが睡眠不足と考えず、問題意識を持って日々の生活習慣の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所
出典:
  • (注1)NHKオンライン|日本人の生活時間・2015
  • (注2)RAND Corporation|Why sleep matters-the economic costs of insufficient sleep
  • 本ページの内容は2018年5月18日時点での情報です。
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