街で見かける太陽光発電…電気代が節約できてエコってホント?

マネープラン

自然の力を使う太陽光発電。街なかや住宅街で見かけることも増え、自宅で使う電気をすべて太陽光発電でまかなう人もいるそうです。太陽光発電では余った電気を売る「売電」ができますが、料金やしくみがよくわからない人も多いのではないでしょうか。今回は、売電のしくみや太陽光発電の2019年問題についてご紹介します。

太陽光発電ってどんなしくみ?

太陽電池をつなげて板状にしたソーラーパネルに日光(光エネルギー)が当たると、太陽電池の半導体の電子が動いて電気が発生するのが太陽光発電のしくみです。日射量の多い場所ほど発電量は多くなります。
総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」(注1)によると、2013年時点で太陽光発電を利用した住宅は全国で157万戸、普及率は3%となっています。2003年時点では28万戸で普及率は0.6%だったので、10年間で利用する世帯が増えていることがわかります。

太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電の最大のメリットは、電気料金の支出を節約できることでしょう。温室効果ガス(二酸化炭素)や有害な廃棄物を排出しない、環境にやさしい「エコエネルギー」であるという点も注目されている理由のひとつです。また、停電などの非常時でも電気を使えるというメリットもあります。
一方、太陽光発電のデメリットとしては、太陽が出ていない夜間の発電はできません。日中であっても、天候や周辺環境で発電量が増減します。例えば、周囲に高層ビルやマンションが建設されて日照条件が変わってしまうと、発電量が少なくなる可能性があるのです。そのため、安定性は低いといえるかもしれません。
さらに、ソーラーパネルは1枚あたり15~17kgほどの重さがあるので、設置することによって屋根に負荷がかかるのは、長期的に見るとデメリットでしょう。

余った電気はいくらで売れる?気になる設置費用は?

太陽光発電では、電力会社が一定期間(家庭用の場合は10年間)、固定価格で余剰電力を買い取る「固定価格買取制度(FIT)」があります。2018年度の新規参入者向け住宅用太陽光の買取価格は1kWh あたり26円(※)で、2019年度は24円となることも決定しています。

  • 買取価格は、出力制御対応機器設置義務なしの地域で、太陽光発電のみ設置した場合
売電収入を増やすには「節電」が一番!
買い取りの対象となるのは、発電電力から使用電力を差し引いた「余剰電力」です。そのため、売電収入を増やしたいときは、消費電力を減らすのが効果的でしょう。
なお、使用電力に応じた電力料金の支払いと売電収入はそれぞれ別の扱いになります。使用電力料金から売電収入を差し引いた額が請求されるわけではありませんので注意が必要です。「使用電力」と「売電収入」をきちんと把握して、家計にプラスとなる効果的な使い方をしたいですね。
太陽光発電の設置にかかる費用は?
太陽光発電では、次のような設備を必要とします。
  • ソーラーパネル
  • パネルを設置する架台
  • 作った電気を家庭で使えるよう変換するパワーコンディショナー
  • 発電量をリアルタイムに確認できる発電モニター
  • 配線など
経済産業省の「平成28年度調達価格及び調達期間に関する意見」(注2)によると、10kW未満の太陽光発電システムの設置費用は、1kWあたり37.1 万円(2015年10~12月期)です。一般家庭では3~5kW程度の発電量が多いので、約112万~186万円が設置費用の目安と考えられますね。
設置後は、補助金や助成金が受け取れる可能性があります。要件や金額は自治体によって異なるので、お住まいの都道府県のホームページを確認しておきましょう。なお、省エネ改修工事の要件を満たせば、所得税の特別控除を受けることもできます。

2019年問題についても知っておこう

前述したように、固定価格買取の期間は10年です。制度が始まったのは2009年なので、2018年現在、固定価格買取期間終了後の売電収入に関する「2019年問題」が注目されています。具体的には、以下の2点が懸念されているようです。

  • 買取価格が下がってしまう
  • 買取そのものがなくなる
固定価格買取期間が終わるとどうなる?
固定価格買取期間の終了とは、電力会社が余剰電力を固定料金で買い取る義務がなくなるということです。しかし、期間終了後の売電ができなくなるわけではなく、電力会社と個別に買取契約を結ぶことはできます。2016年4月から電力自由化が始まっているので、複数ある電力会社から、個別に契約できる会社を見つけるのです。なお、個別契約をするときの買取価格は市場価格となります。前述の経済産業省の資料によると、今後の市場価格は「11円程度」と想定されます。得られる売電益は減るかもしれませんが、電気の買取自体がなくなる可能性は低いでしょう。
また、売電しないで自分で使うという選択肢もあります。初期費用はかかりますが、蓄電池を設置することにより、発電ができない夜間の自家消費に電力をまわすことができます。売電で収入を得るのではなく、自宅で使用する電力を極力太陽光発電でまかなうことで、電気代がかからないようにするのですね。

環境にやさしい太陽光発電ですが、設置費用が高額なため、気軽に導入を決めることは難しいでしょう。検討する際には、固定価格買取制度について理解したうえで、買取期間終了後のことも念頭に入れて長期的なプランを立てましょう。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所

出典

  • (注1)総務省統計局省|エネルギー設備等の住宅への普及について
  • (注2)経済産業省|平成28年度調達価格及び調達期間に関する意見
  • 本ページの内容は2018年5月30日時点での情報です。
  • 掲載された情報をもとに、お客様がなされた行為によって生じたトラブル・損害について、当社は一切責任を負いかねます。