【企業から知る経済】中国のEコマース企業、アリババってどんな会社?

マネープラン

新しいサービスやアイデア商品、個性的な経営者の発言などで注目を集める企業はたくさんあります。しかし、注目される背景や企業そのものについて知らないことも多いのではないでしょうか。今回は世界的企業であるにもかかわらず、日本ではあまり知られていない中国のアリババについて紹介します。

1日で2.8兆円を売り上げたアリババ

アリババグループホールディング(以下、アリババ)は中国で最大手のECサイトを運営する会社で、その規模はアマゾンと競合するほど大きいです。日本ではまだ知名度が低いかもしれませんが、「たった1日で2.8兆円を売り上げた」というニュースが話題になったことを覚えている人もいるのではないでしょうか。

アリババの影響は日本や世界にも
11月11日は1が4つ並ぶため、中国では「独身の日」と呼ばれています。2017年の独身の日に、アリババはインターネット上で大規模なセールを実施し、約2.8兆円という金額を売り上げました。
アリババは日本の企業や経済にもさまざまな影響を与えています。例えば、美容家電メーカーとして知られるヤーマンは、アリババの運営するECサイトで商品を販売し、2016年の独身の日には美顔器カテゴリでトップの販売実績を残しました。
また、中国ではインターネット通販が急拡大し、商品の輸送時に使用する段ボールの需要が高まっています。しかし、中国国内では、段ボールの原料となる古紙が不足しており、日本や欧米からの輸入に頼っている状況です。2017年には、段ボールを生産している日本企業が相次いで値上げを発表しましたが、これは古紙の需要が世界的な規模で高まっていることが理由です。その一端をアリババが担っているのは確実でしょう。

アリババってどんな企業?

アリババは、1999年に、ジャック・マーが18人の創業者とともにアパートの一室でビジネスをスタートしました。最初に手掛けた事業は「アリババドットコム」という企業間のオンライン取引をサポートするマッチングサイトでした。その後、2003年には消費者向けECサイト「タオバオ」を設立、2004年にはオンライン決済プラットフォーム「アリペイ」がサービスを開始しました。2005年には米国Yahoo!と業務提携し、ヤフーチャイナを買収したことも話題になりました(その後、2013年に閉鎖)。2018年3月期決算の売上高は、グループ全体で2,502億元(約4兆2,800億円)にものぼります。
2000年、ソフトバンクの創業者である孫正義が、ジャック・マーと5分ほど話しただけで20億円の出資を決めたことは有名でしょう。2005年、アリババの日本事業本格スタートの際はソフトバンクの出資を受けており、現在もソフトバンクグループは主要株主に名を連ねています。

アリババのECサイト、アマゾンとどう違う?
日本でも利用できるアリババのECサイトは複数ありますが、日本語対応している「アリエクスプレス」についてアマゾンとの違いを見てみましょう。
アリエクスプレスは、出店しているさまざまな店から品物を買うことができます。ベースは企業間取引サイトですが、小口取引も可能なためアマゾンと同じような感覚で個人利用できます。ただし、アマゾンのように「即日発送」「翌日到着」などの迅速さはないようです。商品到着までの目安が10日以上とされるものが多く、なかには20日以上とされている商品もあるので、利用前に確認しておきたいですね。
アリエクスプレスとアマゾンでは、決済の仕組みにも違いがあります。両サイトともクレジットカードが使用できますが、アリエクスプレスでは、注文者側が商品を受け取ったことを確認してから業者に支払いが行われます。つまり、商品を問題なく受け取るまでは、アリエクスプレスが代金を預かるシステムになっているのです。

中国ではスマホ決済が進化中

中国ではキャッシュレス化(現金を使わない決済)が急速に進んでいますが、電子決済の一翼を担っているのがアリババのモバイル決済サービス「アリペイ」です。アリペイとは、店頭に表示されているQRコードをスマートフォンで読み取ることで決済できるシステムです。
消費者は、専用のQRコード読み取りアプリをインストールして、中国の銀行口座から事前にチャージしておくことで決済サービスを利用できます。お店側は、スマートフォンやタブレットにQRコードを表示するだけなので、専用の決済端末を用意する必要はありません。従来の決済サービスよりも導入コストが抑えられるため、規模の小さいお店などでも利用しやすいでしょう。
2018年4月に発行された経済産業省のキャッシュレス・ビジョン(注1)によると、2015年の中国のキャッシュレス決済比率は60%、カナダやイギリス、アメリカなどは45~55%程度、それに対して日本は18.4%です。まだまだ日本での利用率は低い状況ですが、今後の成長の余地が大きいともいえるでしょう。

今後は日本でもスマホ決済が進む?
数年前の「爆買い」ブームは落ち着いたものの、中国人訪日客は増加し続けています。また、訪日客のニーズも変化しつつあり、ショッピングだけでなく日本各地へ観光する傾向も強まっています。今後は、このような訪日客を取り込むためにも、アリペイをはじめとしたモバイル決済の導入が全国的に浸透していくのではないでしょうか。

アリババは世界的に見ても最大手のECサイトでありながら、日本での認知度はまだ高くありません。しかし、日本企業や経済はアリババと無縁ではないことも事実でしょう。また、利便性の高いサービスはあっという間に広がることもあります。将来はアリババのECサイトやアリペイ決済が日本で広く使われることになるかもしれませんね。

ライター紹介

横山晴美
企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する住宅系ファイナンシャルプランナー。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。また、住宅購入は家計・教育費・老後資金・相続など多くの視点が必要なため、ライフプランを見据えた相談を行う。
ホームページ:ライフプラン応援事務所
出典:
  • (注1)経済産業省|キャッシュレス・ビジョン≪要約版≫
  • 本ページの内容は2018年7月20日時点での情報です。
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