株式入門

株式市場の仕組み

発行市場(プライマリーマーケット)

発行市場とは、資金調達目的で新規に発行される株式が、発行者から証券会社などを介して投資家に取得される市場をいいます。ですから、発行市場とはプロセス的な流れを指していて、証券取引所のような具体的市場が存在する訳ではありません。
この市場は「株式の発行会社」、「投資家」、「証券会社(仲介)」の3者で構成され、株式の発行会社が、投資家に対してその株式の募集行為を直接行うか、あるいは証券会社に委託して行うかによって「直接募集」と「間接募集」に分かれます。
発行会社が株式を新たに発行して資金調達することを「増資」と言いますが、この増資は「有償増資」と「株式分割」に分けられます。
有償増資はその募集方法によって「株主割当」(一定基準日の株主に新株引受権を付与)、「第三者割当」(役員や取引先などの特定者に対して新株引受権を付与)、「募集」(広く不特定多数を対象として公募)に分けられます。
次に株式分割とは、資金の出資を伴わない株式の発行をいいます。以前は「無償」や「株式配当」などとも呼ばれていましたが、現在この「株式分割」に統一されています。
既発行の株式を不特定多数の投資家に販売する行為は「売出し」と呼ばれ、新規発行株式を対象としていませんので区別が必要です。

流通市場(セカンダリーマーケット)

流通市場とは、すでに発行された株式が、証券会社や東京証券取引所のような証券取引所などを通じて、その投資家から次の投資家へと売買される市場のことです。
証券取引所での売買は、一定の資格を備えた証券会社(会員証券会社)に限られ(会員制度)、その対象となる株式は一定基準に合致した「上場株式」とされています。現在も流通市場の中心は取引所市場です。売買単は、上場会社の定めた1単元(1株、100株、1,000株など)で、競争売買方法は「価格優先」、「時間優先」の両原則にしたがって執行されます。
証券取引所で行われる売買のほとんどの取引は、売買契約当日から4営業日に受渡し決済を行う「普通取引」となっています。証券会社は、多数の投資家の売買注文を取りまとめ、取引所へ持ち込み、売り買いがスムーズに結びつくように仲介機能を果たしています。
いつでも所有する株式を換金できる市場がなければ、投資家は安心して投資をすることが出来ません。当然、株式の新規発行は難しくなります。このように「発行市場」と「流通市場」の両市場は密接に不可分な関連をもっています。

株式の種類

発行される株式の種類は複数種あり、その権利内容の差異によって分類されます。これは、会社法がその企業の定款に定めることで、権利内容の異なる数種の株式の発行を認めることから可能となっています。

普通株 私達が通常、株式という時は一般に「普通株」を指しています。この普通株というのは、権利内容に何ら制限のない標準になる株式のことで、もっともポピュラーなものです。現在発行されている株式の大半はこの「普通株」です。
優先株 普通株に対して、配当、残余財産の分配の順位において優先的取扱いを受ける株式を「優先株」といいます。経営への参加権(議決権)は制限されている場合が多いです。
劣後株 優先株の反対で、劣後的取扱いを受ける株式を「劣後株」といいます。
償還株 発行から一定期間経過すると消却することが約束されている株式を「償還株」といいます。
無議決株 配当優先株のうち議決権のない株式を「無議決権株」といいます。

株主とは

株主と株券

株式とは、株式会社において、その出資者(株主)の持分(株主権)を表したもので、その株主に対して発行する有価証券をいいます。この株式に流動性を与える為、具体的にその内容を表示して発行される紙片を株券といいます。上場会社の株券は2009年1月5日より電子化(ペーパーレス化)されました。
株主は出資義務を負うのみで、その責任は限定され、株券発行後は権利のみを有することとなります。

株主の権利

株主の権利は、経済的利益を受けることが目的の「利益配当請求権」や「残余財産分配請求権」などの『自益権』と、その法人自体の目的を達成する為の「議決権」などの『共益権』に分けられます。

自益権 「利益配当請求権」とは、会社があげた利益の配当を受ける株主の権利のことです。会社は獲得した利益を源泉として、株主に対して配当金を支払います。大部分の株主にとってもっとも大きな権利です。
「残余財産分配請求権」とは、会社の解散の時に借金を返済し、その後も財産が残る場合、株主はその持分に応じて残余財産の分配を受ける権利のことです。ただ、反対に、資産より負債の方が多くても追加出資はありません。
その他の自益権として、「新株発行差止請求権」、「転換請求権」、「名義書換請求権」、「株券交付請求権」などがあります。
共益権 「議決権」とは、株主総会に出席して、利益処分案を承認したり、監査役など役員の選任をしたり、その会社の経営方針などについて決議する権利のことです。株主は、1単元株につき1票の議決権を持ちます。1単元未満株を保有していても議決権はありません。
「発行済株式総数の一定割合以上のものが行使できる権利を少数株主権といいますが、この共益権における少数株主権には、「提案権」や「株主総会召集請求権」、「取締役・監査役の解任請求権」、「解散請求権」などがあります。