2018年3月、海外進出4ヵ国目となるカンボジアで100%出資のJACCS FINANCE (CAMBODIA) PLC.(JFC)が営業を開始した。人事総務の責任者として、現地社員の採用から教育まで、組織づくりを一から担ってきた檜垣揚平氏にその軌跡と今後の展望を語ってもらった。

JACCS FINANCE (CAMBODIA) PLC.

(JFC)

Director

檜垣揚平

2004年入社。東京東支社、営業推進第二部(現カード推進部)で営業経験を重ね、2013年4月国際事業企画部(現国際事業部)に配属。カンボジア市場に注目し、同国への進出を企画。2017年10月よりJFC設立準備のためカンボジアに駐在、現在に至る。

中間所得層の個人消費が、高い成長率をけん引

ーカンボジアに注目したのは?

ASEANというと、ひとくくりにされますが、経済の成熟度合いが全然違います。カンボジアは当初の5つの加盟国(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム)に続き、まさに今、急成長している国。特に、中間層の所得水準の向上により個人消費が拡大。例えば、生活の足となっているバイクは、一家に一台から一人一台という時代に変わりつつあります。まだまだ家族や親せきから借りるなどして現金一括で購入するのが一般的ですが、自身でローンを組んで入手したいというニーズも増えています。こうした動きは他の商品にも広がる見込みで、次にターゲットにしている商品は自動車や白物家電です。当社が培ってきた商品・サービスにより、カンボジア国民の生活向上に寄与できる。これほど大きな魅力はありません。

大切なのは、現地社員の自主自律と小さな創意工夫の積み重ね

ー組織づくりで最も苦労したのは

現地社員が自主自律して働くための企業文化の醸成でしょうか。
他企業では、駐在員が作成した詳細なマニュアルを基に、駐在員のマネジメントの下で現地社員がアシストするというスタイルがよく見られます。しかし、現地社員の感性を大事にしないと、カンボジア国民に真に支持される金融商品・サービスは提供できないと考えています。それゆえ、現地社員へ積極的に権限移譲したいのですが、責任を負わされたくないという意識が大きく、なかなか自発的に事業運営に関わってもらえません。幹部として現地採用した人材に『期待が重過ぎる』と、辞められてしまうことも多々ありました。そこで、たとえ失敗してもまずはチャレンジしたことを称える。成功に対しては昇進などできちんと処遇する。また、判断に迷った時には現地社員の意見を尊重するといったことを重ね、現地社員にJFCで働くことは楽しい、やりがいがあると感じてもらうことを大切にしています。

ー現地社員を尊重したことによる変化は?

現地社員はどちらかというと、本来の人間の性質は悪であるという「性悪説」に基づいて行動するところがあります。例えば、労働には監視役がいないと労働者は休んでしまうのではないか、といった考え方です。それによって、お客様だけでなく同僚にも必要以上に厳しいルールや管理を求め、オペレーションが非効率となる傾向がありました。しかし、当社の創業の精神に「信を万事の本と為す」とあるように、まずは我々が現地社員を信じ尊重することによって、「性善説」に立った自発的な行動を起こすようになり、効率的なものに変わってきています。
金融商品の差別化は難しく、カギはオペレーションにあります。お客様の利便性に直結する部分でもあり、商品の競争力を総体的に高めます。

例えば、加盟店へ取引代金を入金するまでの時間短縮は要望が多く、当初のオペレーションでは5日でしたが、2日まで短縮と、私たちが期待していた以上の成果をあげています。経理部門は銀行と交渉、営業部門は加盟店から当社への契約書の配送方法を工夫、法務部門は書類の簡易化を検討と、各部門が自発的に課題の解決に取り組み、小さな工夫を一つ一つ積み上げた結果だと思います。

様々な国籍やバックグラウンドを持つ優秀な人材を集める

ーJFCが求める人材とは

現在、82名の現地社員が働いています(2018年12月末時点)。うち、マネジャー職及びアシスタントマネジャー職は13名おりますが、JFCの営業開始から約1年を経て、部下の育成をミッションとして前向きに取り組む人材に育ってきました。
競合他社では金融機関の経験者を採用しますが、JFCでは採用の際に金融機関での経験は問いません。多様な人材を採用したほうが、新たな視点が加わり、期待を超える相乗効果が生まれると考えているからです。
JFCが求めるのは、知恵を出し合い、協力しながら、課題を乗り越えていこうとする向上心です。社員一丸となって課題に取り組み、成果を勝ち取る瞬間を一緒に感じることができるのは、我々の喜びでもあります。
今後は、カンボジア国内に限らず、ASEAN各国からも採用。様々な国籍やバックグラウンドを持つ人材が主体的に活躍できる会社を目指し、カンボジアの経済成長に寄与していきたいと思います。

Back to Top