人生最後のセレモニー、お葬式にかかる費用とは
2015-05-27
高額支出の代名詞でもある葬儀費用。平均は200万円以上という話も聞きますが、本当のところどうなのでしょうか。自分がはじめて喪主をつとめることになったときのため、実際どれくらいの費用がかかるのかを確認しておくことも大事です。
突然やってくるお葬式、どれくらいお金がかかるの?
葬儀にかかる費用は、「葬儀本体の費用」「飲食等費用」「寺院へ支払う費用」と大きく3つに分かれていて、全体ではおおよそ175万円ほどかかるという調査結果があります。具体的な内訳をみていきましょう。
- 葬儀本体の費用
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- 斎場使用料
公営の場合は5万円~10万円くらい、民間業者の場合は金額の幅が広いですが、20万円~30万円が目安となります。ここでは20万円で計算してみましょう。 - 祭壇関連費用
こちらも選ぶ祭壇によって大きく異なりますが、一般的には20万円以上必要になります。祭壇をグレードアップすることで、100万円単位で費用が跳ね上がるケースもあります。- 遺影……10,000円~
- 棺 ……15,000円~
- お花……7,000円~
- 骨壺……5,000円~
- 位牌……2,000円~
- 枕飾り……15,000円~
- その他の費用
上記以外にも、細かい費用として次のようなものがあります。- ドライアイス……1日で8,000円、2日で16,000円
- 遺体搬送料……15,000円~ ※距離や時間によって大きく異なる
- 霊柩車……20,000円~ ※距離によって異なる
- 火葬場までの送迎車(マイクロバス等)……50,000円~100,000円。
ここでは間をとって75,000円で計算します。 - 火葬料……公営は30,000円、民営は50,000円~
場所や地域によって異なりますが、現金で直接火葬場に納めるケースが多いです。ここは40,000円で計算しておきましょう。 - 案内看板・受付セット・司会者・会葬礼状等……80,000円~
以上を合計すると、最低でも70万円ほど必要になります。
葬儀専門業者の場合、これらの費用がセット料金となっているところが多く、棺や骨壺などをグレードアップするたびに追加料金となるシステムがほとんどです。 - 斎場使用料
- 飲食等費用
- これらは、通夜の後に食事やお酒を振る舞う「通夜振る舞い」や、火葬場から戻った際に飲食する「精進落とし」など、葬儀には欠かすことのできない費用です。料理の内容やお酒の量により大きく異なりますが、通夜振る舞いでは2,000円~3,000円の料理と飲み物代、精進落としでは3,000円~6,000円の料理と飲み物代、というのが目安になります。
例えば、通夜振る舞いを3,000円、精進落としを4,000円とし、それぞれ50名分を用意した場合のおおよその合計額は35万円となり、そこに飲み物代を含めた合計は45万円程度になります。
さらに「香典返し」の費用として、1人3,000円を50人分用意した場合は15万円ほど必要になります。よってここでの合計額は約60万円となります。 - 寺院へ支払う費用
- 寺院へ支払う費用については、読経、戒名、お車代などが必要となります。読経料はお寺の格式などにより異なりますが、お布施として15万円~25万円程度が相場といわれています。さらに導師だけでなく脇導師にも読経をあげていただく場合は、その分お布施が追加になります。
通夜でもお布施をお渡しする場合は5万円、戒名で10万円程度となり、寺院への支払いを合計した金額は40万円ほどになります。それとは別に2万円程度のお車代を包むことが一般的です。
シンプルな直葬や家族葬も増えてきている
最近変化しているお葬式のあり方として、シンプルな「家族葬」が増えている傾向にあります。家族葬の場合、家族や親族のほか、親交の深かった人だけに知らせ、一般的な形式にとらわれずお葬式をおこなうことができます。
参列する人数が減るため、当然従来のお葬式より料理や返礼品の費用を抑えることができます。また、祭壇を設けずに花で棺を飾り付けたり、通夜振る舞いを省略をしたりと自由なスタイルで行うことが可能です。
ただし注意点として、通常の家族葬ではお葬式が終了してから故人の死を周囲に知らせることが多いため、知人や友人が直接家に弔問に訪れることがあります。事前にその対応を考えておくことも必要でしょう。
一般的に、お葬式の費用は、葬儀を執り行ってから1週間以内に支払いをします。香典をいただくので、全額自費で行うということはありませんが、ある程度の出費は必要になります。
ある日突然やってくるお葬式。あらかじめその日のために積み立てて、必要な手配等を知っておくと、いざという時に慌てないものです。
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ライター紹介
- 小澤美奈子
- ファイナンシャルプランナーおよび健康・美容ライターとして執筆・講座・相談等で活動中。
損害保険会社と住宅メーカーに従事し、主に家計管理、損害保険、住宅ローンを得意とする。趣味はカメラ・バレエ・料理。
ホームページ:http://kandbplanning.jimdo.com/