費用は?行き先は?最近の修学旅行事情を見てみよう

マネープラン

学生時代の修学旅行には色々な思い出があるでしょう。最近では、修学旅行先に海外を選んだり、さまざまな体験をさせたりするものも増えています。一方で、その修学旅行費が負担になっている家庭もあります。修学旅行の費用や行き先、修学旅行費の負担を軽減する制度について見てみましょう。

小学校~高校の修学旅行の傾向は?

修学旅行の日数や費用については、都道府県ごとに実施基準が定められています。文部科学省が平成28年に実施した「子供の学習費調査」(注1)と公益財団法人日本修学旅行協会が公表している調査結果(注2)から、修学旅行の現状を見てみましょう。

小学校の修学旅行
平成28年度の小学校における修学旅行・遠足等にかかる費用は、公立で6,738円、私立で4万1,797円。公立と私立では3万5,000円以上も差があります。
行き先については、同一地域か遠くても隣接地域に行くことが多く、日程は1泊〜2泊がほとんどです。実施内容は、史跡・文化財の見学や博物館・美術館の見学、伝統工芸やものづくり体験などが多いようです。
中学校の修学旅行
中学校における修学旅行・遠足等にかかる費用は、公立で2万5,038円、私立で7万4,169円。中学校においては、公立と私立の差が5万円近くもあります。
行き先で人気があるのは、京都、奈良、東京などです。日程は、1泊〜3泊と幅広くなっています。実施内容は、史跡・街並み・産業遺産の見学といった歴史学習が圧倒的に多く、続いて芸術鑑賞や平和学習となっています。
高校の修学旅行
高校における修学旅行や校外学習などにかかる費用は、公立で3万4,892円、私立で5万4,096円。高校では公立と私立の差が最も少なく、2万円弱となりました。
行き先で人気があるのは、沖縄、東京、京都などです。日程は、4泊〜5泊が多くなっています。実施内容は、歴史学習や平和学習に加えて、スキー・スノーボードや自然・野外活動といったスポーツ体験なども幅広く取り入れられています。
なお、高校を対象に実施されたアンケートによると、約1割の学校が修学旅行先に海外を選んでいます。旅行先として人気のある国は、アジア圏では台湾やシンガポール、英語圏ではオーストラリアやグアム、カナダとなっています。

修学旅行はなぜ高い?

プライベートの場合、旅行会社のパッケージツアーや格安航空会社などを利用して、費用を抑えながら旅行を楽しむことができます。それに比べて、修学旅行の費用は割高に感じられるかもしれません。その理由はどこにあるのでしょうか。
まず、修学旅行は、各学校が旅行会社と相談しながら作っているオーダーメイドであるということが大きいでしょう。数百人規模の大型旅行であり、行き先・日程・宿泊施設・移動手段なども学校の要望を反映した内容になっています。これは、旅行会社が閑散期の宿泊施設や飛行機を割安に仕入れたうえで参加者を募るパッケージツアーと異なる点です。
また、個人旅行の場合、ゴールデンウィークやお盆休みなどの人気が集中する時期は、費用が高くなりますね。修学旅行でも、京都・奈良は4〜6月、沖縄なら9月〜11月といったように、一定の時期に需要が集まります。数百人規模の大型旅行になるため、貸切バスや新幹線等の移動手段や宿泊施設についても早い段階での事前予約が必要となります。さらに、安全管理のために添乗員を増員することもあるため、結果的に費用が高くなる傾向にあるようです。

修学旅行費の負担を軽減する制度

学校によっては、入学時から「修学旅行積立」をすることで、修学旅行の直前になって生徒の家庭に大きな負担がかからないようにしているケースもあります。しかし、様々な事情で、修学旅行費の工面が難しい家庭もあるでしょう。そのような場合には、就学援助や奨学給付金といった制度が利用できます。

就学援助制度とは
就学援助制度とは、小中学校(義務教育学校)の学用品や通学、学校給食などにかかる教育費が家計を圧迫している場合に公的援助を受けられる制度のこと。もちろん、修学旅行費も対象です。
生活保護を受給する要保護者と、自治体の定める基準によって援助を認められる準要保護者が対象となります。
就学援助制度は、生活保護の家庭を対象にした制度だと考える人は多いかもしれません。しかし、実際には要保護世帯よりも準要保護世帯のほうが多く利用しているのです。平成29年に文部科学省が公表した「就学援助実施状況等調査結果」(注3)によると、平成27年度の援助率は15.23%でした。人数で見ると、要保護児童生徒数は14万人、準要保護児童生徒数は133万人となっており、準要保護児童生徒数が圧倒的に多いのです。
利用の流れは、就学援助制度の認定を受けて修学旅行に行った後で、実際にかかった費用を支給してもらいます。支給時期や限度額などは自治体によって規定が異なるため、各自治体の公式サイトで確認してみてください。
高校生等奨学給付金とは
高校生等奨学給付金とは、生活保護世帯や住民税非課税世帯(年収約250万円未満)に、返還不要の奨学金(約3万~14万円)を給付する制度のこと。高校生等奨学給付金の対象となる費用は、教科書費や通学用品費、入学学用品費などの教育費で、修学旅行費も含まれます。高校生等奨学給付金は、各都道府県に窓口が設けられており、毎年7月頃に申し込みが必要です。

東日本大震災以降、被災地を修学旅行先に選ぶ学校が増えています。被災者の方の体験談を聞いたり、農村や漁村に民泊して農漁業の職業体験をしたりするなど、従来の修学旅行とは異なる体験学習型の内容になっているようです。決して安くない費用を負担する修学旅行。楽しい思い出づくりだけでなく、学生にとって有意義な時間を提供するものであってほしいですね。

出典:
  • (注1)文部科学省|平成28年度子供の学習費調査
  • (注2)公益財団法人日本修学旅行協会|調査・研究
  • (注3)文部科学省初等中等教育局財務課|就学援助実施状況等調査結果
  • 本ページの内容は2019年1月28日時点での情報です。
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