不正利用が相次ぐ「政務活動費」とは?どんな目的に使われているの?

マネープラン

ここ数年、議員が「政務活動費」を不正に受け取る事件がニュースなどで報道されています。議員報酬とは別に支給される政務活動費は、どんな目的に使用されているのでしょうか。運用ルールや具体的な用途について見てみましょう。

政務活動費とは?

政務活動費とは、議員の調査研究や研修といった活動に必要な経費を、議会の会派または議員に対して交付するもの。交付額や交付先(会派なのか、議員なのか)は、自治体によって異なります。一般的に、条例が定めている用途は大まかな区分になっていることが多く、適正に使用されているかを具体的にチェックするには不十分な内容です。そのため、より詳細な規程をおいて、政務活動費を管理している自治体もあります。

政務活動費の主な用途

政務活動費の主な使用用途としては、以下のようなものがあります。

  • 調査研究費:会派または議員が行う調査や研究、国内外の視察にかかる経費のこと。
  • 研修費:研修会やセミナーなどの実施や研修会への参加にかかる経費のこと。
  • 資料作成費:調査や研究に必要な資料の作成にかかる経費のこと。資料の外注費やホームページ構築費なども含まれます。
  • 資料購入費:調査や研究に必要な資料(書籍など)を購入する際にかかる経費のこと。
  • 人件費:調査や研究に必要な人員を雇用する際にかかる経費のこと。
  • 事務費:調査や研究に必要な消耗品や通信にかかる経費のこと。携帯電話の通信費やプリンタのリース費などはこの項目で処理されます。

上記は一例です。議会によっては、交通費や会議費、グループ活動費などに細かく項目を分けているところもあります。

政務活動費はどのように運用されている?

政務活動費の交付申請から収支報告書の提出までの流れについて、東京都議会を例に見ていきましょう。

政務活動費の申請・交付の流れ
  1. 会派の代表者は、毎年度4月10日までに、知事に対して政務活動費の交付を申請します。
  2. 知事は速やかに交付額を決定し、会派の代表者に通知します。
  3. 会派の代表者は、毎月、知事に対して当該月分の政務活動費を請求します。
  4. 知事は、会派に対して速やかに政務活動費を交付します。
収支報告の流れ
  1. 会派の代表者は、毎年4月末までに、「収支報告書」と領収書等を併せて議長に提出します。
    (これとは別に、四半期ごとの「収支状況報告書」の提出も必要です)
  2. 議長は「収支(状況)報告書」の調査を行います。また、必要に応じて、外部の有識者で構成される第三者機関が指導・助言を行います。その後、政務活動費の額を確定し、会派の代表者に通知します。
  3. 額の確定後、会派の代表者は、交付を受けた政務活動費に余剰がある場合は速やかに返還します。
  4. 議長は、提出された「収支(状況)報告書」や領収書を、都議会のホームページ等に掲載・公表します。

東京都議会のホームページには、会派ごとの政務活動費の収支一覧が掲載されています。また、会計帳簿や領収書・レシートなどの写しも閲覧することができるようになっています。

政務活動費の具体的な支出内容は?

では、政務活動費の具体的な使途について、東京都議会(注1)を例に見てみましょう。東京都議会の場合、毎月の政務活動費は1人あたり50万円が交付されます。2017年度に交付された7億5,800万円のうち、実際に使用されたのは6億4,741万円で、使用率は約85%となりました。
政務活動費の用途の内訳は、多い順に「広報紙(誌)発行費(45.4%)」、「人件費(33.5%)」、「事務費(6.6%)」、「事務所費(6.4%)」となりました。2017年度の開示では、これまで個人を特定するおそれがあるとして伏せられていた個別人件費の金額が明らかにされました。しかし、支払先までは公開されていません。透明性を高める取り組みへの第一歩として評価される一方で、「親族を雇用していないかなど、誰に支払ったかが重要だ」と指摘する声も上がっています。


近年、政務活動費の透明性が疑問視されており、議員による不正利用の問題も後を絶ちません。政務活動費の収支状況は各自治体のホームページなどで公表されているので、私たちの税金が適正に利用されているのかチェックしてみましょう。

出典:
  • (注1)東京都議会|平成29年度 政務活動費収支一覧
  • 本ページの内容は2019年5月7日時点での情報です。
  • 掲載された情報をもとに、お客様がなされた行為によって生じたトラブル・損害について、当社は一切責任を負いかねます。