2024年に発行される新紙幣!コストや経済効果はどれくらい?

マネープラン

2024年に新紙幣が発行されることがニュースになりました。また、2021年には五百円硬貨も刷新されると発表されています。新しいお金を発行するには当然ながら費用がかかり、新紙幣・硬貨を扱うATMや自動販売機といった機械の対応も必要になります。新紙幣・硬貨の発行費用やそれによる経済効果は一体どれくらいなのでしょうか。

新紙幣・硬貨の発行費用はどれくらい?

2019年4月に政府が発表した、新紙幣・新五百円硬貨の発行に関する概要を振り返ってみましょう。最新の偽造防止技術を反映させるため、紙幣のデザイン変更は約20年ごとに行われており、今回の刷新も2004年以来の20年ぶりとなります。
一万円札は、福沢諭吉から”資本主義の父”と呼ばれた実業家の渋沢栄一に。五千円札は、樋口一葉から津田塾大学創始者の津田梅子に。千円札は、野口英世から”近代日本医学の父”といわれる医学博士の北里柴三郎に変更となります。では、新紙幣・硬貨の発行費用はいくらくらいかかるのでしょうか。
第一生命経済研究所が発表した「新紙幣・硬貨発行で期待される特需」(注1)によると、新紙幣・新五百円硬貨の発行費用は6,114億円と試算されています。単価や発行枚数を見てみましょう。

 
発行コスト
(1枚あたり)
発行枚数
一万円札 25.5円 99.7億枚
五千円札 19.5円 6.6億枚
千円札 10.4円 42.0億枚
五百円硬貨 64.5円 46.6億枚

五百円硬貨は金属なので、発行コストが最も高くなっています。紙幣では一万円札が最もコストが高く、発行枚数も最多です。1枚あたりのコストは安くても、紙幣・硬貨ともに発行枚数が多いため、発行費用だけでも大きなお金が動くと考えられます。

新紙幣・硬貨の発行で期待される経済効果

新紙幣・硬貨の発行による直接的な経済効果は、発行コストを含めて約1.6兆円と推定されます。その中で大きな割合を占めている、ATMや自動販売機の対応にかかる費用を見てみましょう。

ATM対応にかかる費用
ATM/CDの新札・新硬貨への対応にかかる金額は、3,709億円と推定されています。これは、現在使われているATM/CDの3割が“買い替え”、7割が“改修”として試算した結果です。
買い替えの場合、コンビニ向けのタイプで1台200万円ほど、銀行向けの高機能タイプでは500~800万円ほどかかります。全国の設置台数を考えると、改修で済ませるケースも多いでしょう。
自動販売機の対応にかかる費用
自動販売機の新札・新硬貨への対応にかかる金額は6,064億円と推定されています。自動販売機1台あたりの買い替え費用は50~60万円、改修費用は2.5万円で試算しており、単価としてはATMよりもかなり安くなります。しかし、紙幣や五百円硬貨を取り扱う自動販売機は全国で推定298万台にも上り、買い替え・改修の対象となる台数が多いため、総額で6,000億円を超える莫大な費用がかかるのです。

家庭に眠るタンス預金はどう動く?

第一生命経済研究所の発表した「新札発行でタンス預金も踊るか」(注2)によると、日本全国の家庭にあるタンス預金は50兆円もあるとされています。2024年の新札発行で、家庭に保管されている現金が旧紙幣となるため、それに合わせてタンス預金が動く可能性もあるでしょう。
前回の新札発行は2004年ですが、その際は、年間で3%のタンス預金が減ったそうです。数字だけを聞くと少なく感じるかもしれませんが、今回も同じ3%のお金が動くと考えると、1.5兆円となります。

タンス預金が消費に回らない理由とは?
しかし、新札が発行されるタイミングでタンス預金を動かす人が、その預金を消費に回す可能性は低いと考えられています。
その理由としては、「安全にお金を保管しておきたい」、「使う目的で持っていたのではない」からです。銀行預金をしても超低金利で、引き出し手数料のほうが高くついてしまう昨今。手元にあっていつでも使えるタンス預金の方が安心できるという人も多いのでしょう。

新紙幣・硬貨の発行に向けて、影響を受ける業界では対応が必要となります。しかし、急速に進展するキャッシュレス化に伴い、実際の流通枚数は想定より少なくなる可能性もあります。新しい紙幣の発行だけでなく、5年後に私たちを取り巻く決済環境はどのように変化しているのか、楽しみですね。

出典:
  • (注1)第一生命経済研究所|新紙幣・硬貨発行で期待される特需
  • (注2)第一生命経済研究所|新札発行でタンス預金も踊るか
  • 本ページの内容は2019年8月7日時点での情報です。
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