給与アップしたいけど…転職すると給与は上がる?下がる?

マネープラン

ひところに比べると若年層の転職率は落ち着きを見せていますが、それでも転職市場は依然として緩やかな拡大傾向にあります。人生100年時代といわれる現在、自分が納得できる働き方を追求したいという人も多いでしょう。転職の理由のひとつに「給与アップ」が挙げられますが、事前にしっかり情報収集をしておかないと、転職後に思っていた給与を得られない可能性もあります。今回は、転職後の給与の変化や求人情報を見るときに注意したいポイントについてご紹介します。

転職後の給与はどう変化する?

まずは、年齢や雇用形態によって、転職後の給与がどのように変化するか見ていきましょう。

転職年齢による格差がある

転職する年齢によって、転職後の給与の増減状況に差があります。厚生労働省の「平成27年転職者実態調査の概況」(注1)によると、年齢別では以下のようになっています。

年齢 賃金が増加した 賃金が減少した
20~24歳 43.6% 24.0%
25~29歳 47.1% 31.5%
30~34歳 44.4% 32.9%
35~39歳 43.3% 33.1%
40~44歳 43.7% 33.0%
45~49歳 36.2% 39.3%
50~54歳 33.9% 46.6%
55~59歳 28.4% 45.9%

44歳以下は「賃金が増加した」割合が多くなっていますが、45歳以上は「賃金が減少した」割合が多くなっていることがわかります。

採用時の雇用形態による格差がある

さらに、雇用形態別で見てみましょう。リクルートワークス研究所が発表した「全国就業実態パネル調査2017」(注2)によると、正社員と非正規社員で、転職後の給与の変動は以下のようになっています。

    10%以上増加 10%以上減少
正社員 転職1年目 35.4% 34.1%
転職2年目 47.1% 26.2%
非正規社員 転職1年目 30.7% 46.8%
転職2年目 36.2% 47.8%

正社員の場合、2年目には前職給与を上回る人の割合が伸びています。一方、非正規社員では、転職後に給与が減少した人の割合が多く、2年目もその傾向は変わりません。

転職するか、継続して働くか

転職して給与アップを図るのか、現在の職場で経験を積んで昇給を狙うのか、悩むケースは多いでしょう。転職した場合としない場合、給与面ではどちらが得なのでしょうか。

継続して働く人の賃金動向

世の中的には人手不足となっている業界も多い昨今。人材確保のため賃金の引き上げに取り組む企業が増えています。厚生労働省の「平成30年賃金引上げ等の実態に関する調査」(注3)では、89.7%の企業が「賃金を引き上げた・引き上げる」と回答しています。
では、実際に働く人たちの賃金は上がったのでしょうか?厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、平均賃金は月額で30.6万円となっており、前年度と比較して2千円程度増加しています。たしかに賃金は上がっていますが、物価上昇などの環境変化も考慮すると、 “給与が増えた”と実感するには程遠いでしょう。

転職後に年収が下がる根拠はない

よく、「転職後には年収が下がる」と言われることがあります。たしかに、試用期間中は満額の給与がもらえなかったり、賞与の支給対象にならなかったりという理由で、転職した年は一時的に前職の年収を下回るケースもあります。しかし、前述のデータのとおり、年齢や雇用形態によって転職後の年収の変化には差があり、長期的に見ると年収が下がるとは言い切れません。

転職で給与アップを図るには

給与アップを目指して転職するなら、求人情報のどこに注目するべきでしょうか。

転職先を選ぶ際に見るべきポイントは

求人情報を見るときに、つい給与ばかりを見てしまいがちですが、企業のサイトなどに掲載されている会社の経営状態もしっかりチェックしておきましょう。
給与については記載方法が一律ではありません。固定残業代が基本給に含まれているようなこともあります。また、各種手当の充実度も会社によって差が大きいので、手取り額に大きく影響します。
また、「平均年収」のような記載にも注意が必要です。こちらは「中央値」ではないため、例えば、規模が小さい会社に飛び抜けて給与が高い人が一人でもいると、平均値もつり上がってしまいます。
さらに、将来的に給与が上がっていくのかどうかも気になるところですが、こちらはインセンティブや昇給基準が分かりやすく示されているかを見ておくとよいでしょう。

給与交渉で気をつける点は

給与交渉は、切り出すタイミングが重要です。一般的には内定前の条件調整時がベストですが、転職エージェント経由の場合、内定後でも交渉できるとされています。交渉にあたり、極端な金額を提示してひんしゅくを買わないよう、あらかじめ同業他社の募集条件を把握し、業界の給与水準を確認しておきましょう。
実際の交渉では“自分のスキルや経験を元にした妥当な条件”という点を、客観性をもって説得できるようにします。このとき、自身の市場価値を読み間違えないようにしなければなりません。業界給与水準をベースに、年次や実績などを冷静に判断します。
先方に伝える際は、“金額”への執着ではなく“自分の価値”に対するこだわりという点を意識してアピールするとよいでしょう。
また、基本給や残業代、各種手当、ボーナス、年収と手取り額など、前職の給与をできるだけ詳細に伝えます。それをもとに「前職と比較してこのくらいを希望しています」と交渉すれば、相手に具体的な金額やパーセンテージが伝わりやすくなるでしょう。


働くうえで給与は重要なモチベーションのひとつ。転職で給与アップを図りたいという人は、給与だけでなく、各種手当や福利厚生、企業の経営状態や業界の成長性など、総合的に判断したうえで後悔しない選択をしたいですね。

出典:
  • (注1)厚生労働省|平成27年転職者実態調査の概況
  • (注2)リクルートワークス研究所|全国就業実態パネル調査2017
  • (注3)厚生労働省|平成30年賃金引上げ等の実態に関する調査
  • (注4)厚生労働省|平成30年賃金構造基本統計調査
  • 本ページの内容は2019年12月4日時点での情報です。
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