環境の変化にどう対応する?コンビニ業界の未来とは

マネープラン

街なかに乱立するコンビニの競争は以前にも増して激化しており、大都市圏では、数十メートルおきにコンビニがあるのが当たり前です。消費者のニーズやライフスタイルの変化に伴い、コンビニのあり方も変化を迫られている昨今、各社がどんな取り組みを行っているのか見ていきましょう。

コンビニの売上と店舗数の推移

まず、コンビニの売上や店舗数の推移について見ていきましょう。
経済産業省の発表した「2019年上期小売業販売を振り返る」(注1)によると、2019年上期におけるコンビニの総販売額は5兆9,044億円です。内訳は、お弁当やパンなどのファーストフード及び日配食品が2兆2,192億円(37.6%)、雑誌や化粧品などの非食品が1兆7,810億円(30.2%)、お菓子やインスタント食品など加工食品が1兆5,622億円(26.5%)、宝くじやコピーなどのサービス売上高が3,420億円(5.8%)となっています。
業界全体では大きな規模ですが、一店舗当たりの売上はどうなのでしょうか。同じく経済産業省が2019年に発表した「コンビニ調査 2018結果概要」(注2)によると、売上金額が減少したと回答したコンビニ店舗オーナーは50%でした。ロイヤリティが高いため手元に残る利益が少ない、近隣店舗が増えすぎたことによる顧客の取り合いなどが原因となっているようです。
そして、増加の一途を辿ってきたコンビニ店舗数ですが、ここ数年は横ばい傾向となっており、2019年12月時点で全国に55,620店が存在しています。

コンビニ業界の抱える課題

では、コンビニ業界が抱えるさまざまな課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

人手不足

前出の「コンビニ調査 2018結果概要」(注2)によると、61%のオーナーが「従業員が不足している」と回答していました。店舗運営における業務の多さや複雑さ、他店舗との人材の取り合いといった状況から、コンビニ業界全体的に、慢性的な人手不足となっています。また、スタッフの人手不足を補うために、オーナー自らが長時間労働をせざるを得ず、それによる健康リスクも問題視されています。近年、ニュースで取り上げられる機会が増えたので、耳にしたことがある人も多いでしょう。

オーナーの高齢化や後継者不足

オーナーの高齢化により店舗運営に支障が出る、後継者が見つからないため閉店せざるを得ない、といった問題も生じています。

異業種との競争激化

深夜まで営業時間を拡大しているスーパーや、価格面で消費者にメリットが大きいドラッグストアの増加といった、異業種との競合激化も問題として挙げられます。営業時間帯や商品ラインナップが重複してしまうため、従来コンビニのメリットとされていた点が希薄化しているという現状があります。

コンビニの課題解決と生き残り戦略

このように、私たちの生活に浸透しているコンビニには、さまざまな課題が存在しています。こうした課題にどう対応していくのか、コンビニ各社の取り組みを見てみましょう。

労働環境の改善

24時間営業が当たり前だったコンビニですが、営業時間の短縮や365日営業の取りやめに向けた実証実験が開始されており、一部の店舗では2020年の元日を休みとする方針が取られました。
しかし、年中無休のビジネスモデルで成長してきたコンビニチェーンには、ロイヤリティや売上、工場と物流の稼働など、24時間営業・365日営業を取りやめる場合の影響範囲は大きいです。そして、オーナーやスタッフなどの働く人に配慮した、持続可能な営業に向けた検討も求められるでしょう。

食品ロスへの対策

まだ食べられる食品が廃棄されてしまう「食品ロス」に対する、世の中の関心が高まっています。それを受けてコンビニ各社も、販売期限の延長や、期限が迫った商品の値引きやポイント還元といった取り組みを始めています。また、季節のイベントである、うなぎや恵方巻き、クリスマスケーキを予約販売に限定することで、食品ロスを減らそうとするチェーンも出てきています。

複合施設化

コンビニにさまざまな施設を併設して、利便性を高める取り組みも増えています。最近では、フィットネスジムやコインランドリー、シェア自転車の拠点設置などが実施されています。また、高齢者向けのメディカルフーズ(療養食)の取扱い、調剤薬局の併設、お弁当の宅配サービスなど、異業種と提携するケースも見られるようになりました。


近くにあっていつでも営業しているのが当たり前だったコンビニも、時代の流れとともに運営方針の転換を迫られるようになりました。便利なだけでなく、働く人たちや社会にも優しい、そんなコンビニがこれから増えるといいですね。

出典:
  • (注1)経済産業省|2019年上期小売業販売を振り返る
  • (注2)経済産業省|コンビニ調査 2018結果概要
  • (注3)日本フランチャイズチェーン協会|JFAコンビニエンスストア統計調査月報
  • 本ページの内容は2020年2月14時点での情報です。
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