これからのスタンダードになる?サポカー(安全運転サポート車)とは

マネープラン

高齢者による自動車事故が増加している昨今、サポカー(安全運転サポート車)という言葉が浸透しつつあります。これは一体どのような車なのでしょうか。サポカーに備えられている機能や、保険・補助金といった優遇制度について解説します。

サポカーとはどんな車?

サポカー(安全運転サポート車)とは、新技術をもとにした運転支援機能を搭載する車両のことで、「セーフティ・サポートカー」の略語です。目的は事故の回避で、交通事故防止対策の一環として国が奨励しており、運転支援機能を搭載した車両についてさまざまな優遇措置が実施されています。
一般社団法人日本自動車工業会が2019年に発表した資料(注1)によると、衝突被害軽減ブレーキ(低速度域含む)は77.8%、ペダル踏み間違い時加速抑制装置は65.2%の車両に装着されています。メーカーによって機能の名称は異なりますが、これらの機能を装備することで、サポカーと呼ばれる基準に該当します。

サポカーとサポカーS

サポカーと呼ばれる車両は、「サポカー」と「サポカーS」の2種類があります。

  • サポカー:衝突被害軽減ブレーキが搭載されている車両ですべての世代に推奨
  • サポカーS:衝突被害軽減ブレーキに加えて、ペダル踏み間違い時加速抑制装置が搭載されており、特に高齢者に推奨

「サポカーS」にはさらに「ベーシック」「ベーシック+」「ワイド」の3種類があります。上位タイプになると、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置のほかに、車線逸脱警報や先進ライトなどの機能が追加されます。

サポカーには優遇制度がある

国が奨励しているサポカーには、さまざまな優遇制度も用意されています。

保険割引

2018年1月から、先進安全装置を搭載した車両、つまりサポカーに対するASV(Advanced Safety Vehicle)割引制度が導入されています。対象はAEB(衝突被害軽減ブレーキ:Autonomous Emergency Braking)を搭載する車で、割引率は一律9%です。この割引は、車の大きさによって以下のように適用基準が異なります。

  • 自家用普通・小型乗用車:割引期間は、AEBを装着する型式の発売開始から3年間。ただし、新車を購入しても型式の発売日によっては短期間しか優遇されない場合も
  • 自家用軽乗用車:AEBを装着する全型式が対象で、割引期間に制限はない

また、すべての保険会社で導入されているわけではないので、割引を希望する場合は事前に確認しておきましょう。

サポカー補助金

2020年1月に、サポカー補助金に関する予算案が、衆議院・参議院両院で可決・成立しました。サポカー補助金を申請すると、サポカー購入で最大10万円、後付け装置導入で最大4万円の補助を受けられるようになるのです。
サポカー補助金の目的は、急増している高齢者の交通事故防止ですので、2020年3月末時点で満65歳以上の高齢運転者が対象です。補助金の金額は以下の通りです。

  • 衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進等抑制装置を搭載する車両:新車10万円、軽自動車7万円、中古車4万円
  • 衝突被害軽減ブレーキを搭載する車両:新車6万円、軽自動車3万円、中古車2万円

また、後付け装置導入補助事業として、満65歳以上の高齢者に装置を販売する人や、高齢者を雇用する事業者を対象とした補助もあります。補助対象となるのは、ペダル踏み間違い急発進等抑制装置で、補助額は障害物検知機能付が4万円、障害物検知機能なしが2万円です。

サポカー技術に期待されること

国土交通省は、2021年11月から段階的に、新型車に対する自動ブレーキ装備を義務付けると発表しました。背景にあるのは、高齢者による交通死亡事故割合の増加です。

高齢者による事故の防止

近年、死亡事故件数そのものは減少傾向にありますが、高齢運転者の死亡事故の割合は上昇しています。
内閣府が公表した資料(注2)によると、免許を保有する人10万人当たりで比較した場合、75歳以上の運転者の死亡事故件数は75歳未満の運転者の2倍以上となっています。また2016年時点では、75歳以上の運転者による死亡事故は全体の13.5%を占めているのです。
高齢者が起こす事故の特徴は次のようになっています。

  • 単独事故:運転を誤って車線からはみ出し、モノに衝突するという事由がほかの年代よりも多い
  • 死亡事故の要因:操作ミスの割合が最も高く、次いで、漫然運転といった前方不注意や安全確認の不足が続く

最近では、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故も多数発生しています。サポカー技術には、こうした事故の防止が期待されているのです。

歩行者や同乗者の安全対策にも

大手自動車メーカーの検証によると、衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進等抑制装置を搭載した車両は、非搭載車と比較して追突事故が9割下がるとされています。サポカーの導入により、歩行者や同乗者の安全確保、道路周辺の建物などへの安全対策効果が見込めるでしょう。


車両が生活必需品という人にとって、サポカーの技術は心強い味方となるでしょう。しかし、どれほど進んだ技術が搭載されてもすべての危険を回避できるわけではありません。ドライバーの意識向上は全世代に共通のテーマですね。

出典:
  • (注1)一般社団法人日本自動車工業会|乗用車の車両安全装備実施状況
  • (注2)内閣府|高齢者に係る交通事故防止
  • 本ページの内容は2020年3月2日時点での情報です。
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